高畑勲監督 反戦の思い、宮崎氏と共有 米誌に語る

[ 2016年2月6日 18:34 ]

 「アニメ界のアカデミー賞」といわれる米アニー賞の主催団体から長年の貢献をたたえる功労賞「ウィンザー・マッケイ賞」を贈られる高畑勲監督(80)が6日の授賞式を前に米誌バラエティーのインタビューに答え、共にスタジオジブリをおこした宮崎駿監督(75)とは反核、反戦の思いを共有していると語った。

 高畑監督は、若いころは新しい形のアニメを作り出すために宮崎氏と「戦友」のような関係だったと説明。同氏とは別のアプローチを目指し、宮崎氏がファンタジー作品により注力する過程で、自らの作品からはファンタジーの要素を除いていったと述べた。

 その上で宮崎氏とは「身近な自然をめでる心や核兵器、原発、(戦争の放棄などを定めた)憲法9条改正に反対する政治信条を共有している」と強調した。

 スタジオジブリが世界的に有名になった理由を聞かれ、宮崎氏が「天才だったこと」と指摘。「残念ながら私は宮崎駿のような天才ではないが、ジブリは私の作品を評価してくれた」と話した。

 2015年のアカデミー賞長編アニメ賞にノミネートされた「かぐや姫の物語」が最後の作品なのかと問われると「いくつかの作品に取り組んでいるが、それが映画になるかどうかは自分も含め誰にも分からない」と話した。

 米国では高畑監督の「おもひでぽろぽろ」(英題「オンリー・イエスタデイ」)が最近公開された。(共同)

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2016年2月6日のニュース