「下町ロケット」 町工場の人々も共感「ものづくりの凄さ伝わる」

[ 2015年11月22日 11:45 ]

作業を見つめる社長の北嶋貴弘さん

 TBSドラマ「下町ロケット」(日曜後9・00)が先週15日の放送で、民放連続ドラマの今年度最高平均視聴率20.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど好調だ。ひた向きな町工場を描く物語は、実際の町工場の技術者だけでなく、働く人々の心を広くつかんでいる。

 東京都大田区にある北嶋絞製作所の社長・北嶋貴弘さん(43)は「町工場らしさがちゃんと描かれている。ものづくりの凄さが伝わってうれしい」と放送を楽しみにしている。

 鈴や飲料缶のような曲面のある金属製品を作る町工場。回転させた金属板に工具を当てる「へら絞り」という技術が専門だ。過去に「H―2ロケット」の補助燃料タンクの先端部分を製造したこともある。

 これまでの放送で印象に残っているのは、阿部寛(51)演じる社長・佃航平と佃製作所の社員が徹夜で作業を行うシーン。「社長も一緒になって夜中まで作業をしていた。僕もよくやるので、これが町工場だよなって思いました」とうれしそうに話した。

 大手企業と戦うという構図にも「中小企業としての苦労は実際にある」と共感。「2カ月はかかるものを1カ月でやれと言われたり、“おまえらにやらせてやってるんだから”というような人もいた」と苦笑い。一方で「技術を認めて、協力してくれた人がいたのも同じです」。

 22日からの後半でも「仕事に誇りを持ってやっている、町工場にしかできない技術があることを伝えてほしい」と期待していた。

【町工場のスゴ技】

 ▼岡野工業(東京都墨田区)外径0・2ミリの注射針を製作。通常は0・4ミリ。「痛くない注射針」と話題に。従業員5人(2010年)

 ▼本多電子(愛知県豊橋市)1956年、世界初のポータブル魚群探知機を開発。超音波機器のトップを走り医療用顕微鏡なども製作。従業員198人(14年)

 ▼岡本硝子(千葉県柏市)広くガラス製品を手掛け、歯科治療ライトでは世界シェア80%。従業員287人(14年)

続きを表示

2015年11月22日のニュース