元AKB川栄李奈、主演舞台で見せた「バカ」にできない可能性

[ 2015年9月17日 10:05 ]

「AZUMI 幕末編」の公開ゲネプロで迫真の演技を披露する川栄李奈

 カワエーはやはりバカじゃなかった。

 8月4日にAKB48を卒業した女優の川栄李奈(20)。現在、初めての主演舞台「AZUMI 幕末編」(今月24日まで東京・新国立劇場)で熱演を続けているが、主役とあってほとんどステージに出ずっぱりで、セリフの量が膨大だ。

 この舞台の稽古が始まって2日目、川栄は深夜、AKBで親しい入山杏奈(19)と木崎ゆりあ(19)に自宅に来てもらい、「つらい。セリフの量が尋常じゃない。どうしたらいいんだろう」と弱音を吐いた。

 稽古開始から11日後、スポニチ本紙に殺陣の練習などを公開した時も、覚えたセリフの量について「まだ半分くらい」と打ち明け、台本を見ながら稽古を続けていた。

 果たしてこの調子で本番に間に合うのか。セリフを覚えている当人は、掛け算の九九をまともに言えない、あのカワエーだ。舞台の当事者でなくても疑心暗鬼になる状況だった。

 ところが、それは杞憂(きゆう)だった。今月11日の舞台初日。本番前に最後の稽古が報道陣に公開されたが、川栄は全ての場面で、一度も言葉に詰まることなく、主役である刺客・あずみを演じ切った。350人もの敵を斬りまくる殺陣の凄み、情感あふれる芝居の良さに報道陣からは「あのカワエーが…」と感嘆の声が漏れた。

 実は、この舞台を演出した岡村俊一氏(53)は当初から川栄のセリフ覚えについて心配していなかった。

 「川栄の頭は“容量が巨大な、空っぽのコンピューター”。使っていないだけで、実は緻密で、たくさんの情報が入る。だから、セリフがとてつもないスピードで頭の中に入っていく」と話していた。

 聞いた時はにわかに信じられない部分もあったが、舞台の本番を迎えてみると、それが本当だったことが分かる。

 確かに、川栄は勉強ができない。しかし、それは小中高の時にやらなかったからできないだけで、やっていればきっとできたに違いない。事実、AKB在籍中、生涯学習「ユーキャン」のCMで「薬膳コーディネーター」の資格試験に挑み、合格している。AKB48グループ次期総監督の横山由依(22)も「川栄は勉強はできないかもしれないけれど、頭の回転が速くて、やることはしっかりしている」と信頼を寄せていた。つまり、川栄にとってバカは、テレビのバラエティー番組で活躍するための方便だったのではないか。

 演出家の岡村氏は「川栄はAKBの総選挙では16位が最高だったが、女優では日本一を獲れる」と語っている。今後、バラエティー番組には出演せずに女優業に専念する意向だけに、もう「バカ」は見られないかもしれない。

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2015年9月17日のニュース