浅野温子「ここまでしょーもない女は初めて」

[ 2015年9月17日 11:10 ]

「37・5℃の涙」で親子役を務めた浅野温子(右)と蓮佛美沙子

 病児保育をテーマにしたTBSのドラマ「37・5℃の涙」(木曜後9・00) で悪母を演じ、主役を食ってしまうほどのインパクトを視聴者に与えている浅野温子(54)。17日に放送される最終話を前に自身の演技を振り返った。

 浅野が演じた杉崎富美子は、幼少期から次女の桃子(蓮佛美沙子)を虐待しておきながら、夫・誠一郎(石田登星)が倒れたら介護のために桃子を頼る自分勝手な役。それでいて桃子を父の死に目にも会わせない。笑いながら桃子をいじめるなど、酷薄な母を徹底している。

 数えきれないほどテレビドラマ、映画、舞台を経験してきた浅野にとっても「ここまでしょーもない女を演じたのは初めて」と笑う。富美子の悪役ぶりが怖すぎる!と視聴者の間で話題になっていたが、「こういう人って、たとえ笑っていたとしても怖いですからね。だからそこの部分は、変な話犯罪者の笑顔を見ても怖いのと同じで、そこを感じていただけたんだったらよしかなって」と手応えも口にした。

 富美子に共感できる部分は全くなく、「相当な違った神経の人なんだろうなとしか思えない。どこかで壊れちゃったという風に考えないとね、もう」と自身とは縁がないタイプだと漏らす。ただ、家庭内での虐待が増えているという現実については「今はネットとかでも中傷とかすごいじゃないですか。あれってなんなんだ?って。そういうこととやってることは大して変わらないんですよね。みんなの中にもヤバイ因子ってあったりして、それが育つか育たないかは紙一重。どんなにかいい人でありたいけれど、人間は全くその(悪の)要素がないかって言うと、ないわけじゃない?」と人間の性にまで話を広げた。

 近見哲平プロデューサーは「これ以上ないキャスティング」と会心の起用だったことを明かし、「回を追うごとにみんなお母さんにどんどん惹きつけられていくというか、それは浅野さんの持つ年輪もあるし強さもあるし、とにかくとても絵力のある方」と浅野の役者としての存在感に感嘆していた。

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2015年9月17日のニュース