「たま駅長」急性心不全で死ぬ 人間なら約80歳

[ 2015年6月24日 19:01 ]

 和歌山電鉄は24日、動物駅長ブームの火付け役となった、同社社長代理で貴志川線貴志駅(和歌山県紀の川市)駅長の雌の三毛猫「たま」が死んだと発表した。同県岩出市内で22日午後7時すぎ、16歳2カ月で天国へ旅立ったという。

 同社によると、人間の約80歳に相当し、死因は急性心不全とみられる。鼻炎のため、5月から療養していた。死ぬ前日に同社の小嶋光信社長が見舞いに訪れた際、立ち上がって、元気な声で「にゃあ」と鳴いたという。

 和歌山電鉄は28日午後0時半から貴志駅で社葬を執り行う。葬儀委員長は小嶋社長。

 駅前の商店で飼われていたたまは、2007年1月に駅長に任命された。愛くるしさと物珍しさで観光客を招き、赤字のローカル線は一躍人気スポットに。写真集などグッズの売り上げでも貢献し、13年1月に同社の社長代理に昇進した。

 貴志川線は06年、乗客減により南海電鉄が運営から撤退。廃線も危ぶまれる中、新設の和歌山電鉄が引き継いだ。たま人気の貢献もあり、05年度に約192万人だった乗客数は、14年度には約227万人まで伸びた。

 和歌山県の仁坂吉伸知事は「観光のスーパースターとして国内外から絶大な人気を誇り、本県の観光振興に大いに貢献した。深い悲しみと感謝の気持ちでいっぱいだ」とのコメントを出した。

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