栩内被告“ノーモアASKA”無罪得るため名指し「宮崎さん」

[ 2014年9月10日 05:30 ]

ASKA被告に“絶縁状”を突きつけた栩内香澄美被告=5月撮影

 歌手のASKA(本名宮崎重明)被告(56)の愛人で、覚せい剤取締法違反(使用)罪に問われている栩内(とちない)香澄美被告(37)の第2回公判が9日、東京地裁で開かれた。栩内被告は、「鑑定ミスか、第三者が私の体内に入れた」とした初公判での供述の「第三者」を「宮崎重明さん」に訂正。あえて名指しすることで、今でも「大事な存在」と言って愛情を寄せてくるASKA被告に“絶縁状”を突き付けた。

 冒頭、弁護人が「罪状認否の補正がある」と訴えると、栩内被告は初公判の時と同様、証言台に立ち、紙に書かれた文章を読み上げた。

 「私は覚せい剤を使用したことはない。陽性反応が出たのは鑑定のミスによるものだ」とあらためて主張。しかし、次のフレーズが大きく変わった。「鑑定に誤りがない場合でも“宮崎重明さん”が私の体内に入れたものだ」。初公判で「第三者」としていた部分をASKA被告の本名に変更。さらに「初公判では第三者と言ったが、宮崎さん以外にいない」とダメを押すように言い切った。

 変更した理由については「著名な芸能人の名前を出すと、報道が過熱すると思った。だから第三者という表現を使うのが妥当と考えたが、言葉足らずだった」と述べた。
 
 ASKA被告は先月28日の初公判で「栩内被告に覚せい剤を使ったことはない」と主張。それだけに、ASKA被告に覚せい剤を体内に入れられた可能性を指摘する栩内被告の主張は食い違っている。弁護側は「宮崎氏が栩内被告に睡眠導入剤を服用させ、寝ているうちに使用させた可能性がある」と補足した。

 初公判で「大事な存在」と言って愛情を寄せてくるASKA被告に対し、今後の公判次第では、証言の偽証を訴えることにもなり、対決する可能性が出てきた。無罪を勝ち取るため、ASKA被告との関係継続はもはや眼中にないとみられ、“絶縁状”を突き付けた格好だ。

 一方で、ASKA被告との法廷バトルは避けたいようだ。ASKA被告を証人申請する可能性を示唆する検察側に対し、弁護側は、ASKA被告の初公判で栩内被告に関する質問が多数出たとして「その時の供述を調書として提出すれば十分だ」と主張した。わざわざASKA被告を出廷させて同じ証言をさせる必要はないという提案だ。法廷バトルが実現すれば大きな話題となって世論喚起につながり、裁判官の心証に悪影響を与えかねない。この日の公判からは栩内被告に“ノーモアASKA”の強い思いが感じられた。

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