THE ALFEE40年続いた秘密は“ダチョウ倶楽部精神”!?

[ 2014年8月24日 07:56 ]

デビュー40周年を迎えたTHE ALFEEの(左から)桜井賢、坂崎幸之助、高見沢俊彦

 3人組バンド「THE ALFEE」が、25日でデビューから丸40年の節目を迎える。一糸乱れぬコーラスと、それと対照的な三者三様の個性が人気を博し、長年愛され続けている。長続きしないバンドが多い中、解散の危機は「一度もなかった」という円満さ。異例とも言える長寿の秘けつは“ダチョウ倶楽部スピリット”にあった。

 ルックスだけ見れば、同じグループとは思えない。「見た目の食い合わせは悪いよね~。食ってみたら(曲が)当たっちゃった?」とリーダーの高見沢俊彦(60)。坂崎幸之助(60)と桜井賢(59)は「うまいね~」と笑う。とにかく仲がいい。

 とかく、バンドには仲たがいがつきもの。そのことから考えれば、この3人は芸能界の天然記念物と言っていい。40年もの間、円満な理由を高見沢に聞くと「“どうぞどうぞ”ですよ」と、人気トリオのギャグが返ってきた。

 「ウチはアクの強いやつがいない。普通は俺が俺が、ってなるじゃない」。誰より自己主張の強そうな見た目で言われ、少々面食らった。

 「だって、俺が曲書いて“おまえ歌うんだよ”って言ったら“え~?”って返ってくるんだよ」と笑う高見沢に、坂崎が「確かに、ダチョウ倶楽部的だよね」と続けた。

 この精神は持ち味の繊細なハーモニーにも生きている。「コーラスって1人がしゃしゃり出るとダメ。それまで“俺が俺が”のバンドにいただけに、初めて3人でハモったとき“こんな世界もあるんだ”と思った」と高見沢は述懐する。

 始まりは“聞いてないよ~!!”だった。前身のフォークグループ「コンフィデンス」創始者の桜井は「一緒にやろうなんて全く思ってなかった。(高見沢の加入を)知ったのが、ライブ当日の会場で、だからね」

 3人はもともと高校時代からの顔見知りで、桜井と高見沢は同じ学校に通う同級生だった。そろって明治学院大に進学後、桜井は別の高校で凄腕として鳴らした坂崎を加え、新バンドとしてライブを行うことに。その前日、坂崎が大学で高見沢とばったり会ったことで運命が動きだす。

 その日、高見沢は坂崎に「音楽やめたんだ」と話した。バリバリのロッカーだった高見沢とは対照的なフォーク畑の坂崎だったが、ビートルズの話題で盛り上がり「じゃあ、もうちょっと話をしようと、俺んとこ行ったんだよね」(坂崎)。そこで坂崎は「ちょうどコーラス1人やめたし、あしたエレキで間奏弾いといて」と、音楽をやめたはずの高見沢を誘う。

 「会場で高見沢を見たときの、桜井の表情ったら」と坂崎。桜井も、「俺の第一声が“何やってんの?”だもんね。“入るの?あ、そう…”って」と話す。「こいつはハードロックだって知ってるわけだから、凄い違和感」。でもコーラスをすると、ドンピシャはまった。この時の快感こそが、長い歴史の一歩だった。

 74年デビュー。下積みも長かったが、83年「メリーアン」のヒットで方向性が固まる。洋邦問わず、あらゆる音楽ジャンルを包括するバンドスタイルだ。高見沢は「全員が、我を通そうということがないからできる。また、いろんな音楽を入れることによって、やりたいことができて、ストレスがない」と話す。

 その後、過激化する高見沢のルックスにも「大学のころの普段着を見てますから。あれからすれば驚かない」(桜井)と動じることはなかった。作詞、作曲はほとんど高見沢が手掛けるが、メンバー間で“訴えてやる!”なんて事態にも陥らず、ひたすら音楽をエンジョイし続けた。

 周囲の助けも大きかった。坂崎は「たくさんの手を差し伸べていただいた。理由は自分では分からないが、音楽性の前に人間性なのよ」と話す。この言葉に、THE ALFEEが凝縮されている気がする。

 「長く続ける秘けつはやっぱり桜井、坂崎、高見沢の3人であることだね。イヤなことは3分の1になるし、いいことは3倍になる」と高見沢が話すと、ほかの2人は深くうなずいた。“みんな仲良く、脇・アイ・アイ!”。ダチョウ倶楽部のギャグよろしく、3人は良き友のまま、音楽の道を突っ走り続ける。

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