被災地に心寄せていたやなせさん 「奇跡の一本松」題材に作曲も

[ 2013年10月16日 10:03 ]

やなせさんが命名した「奇跡の一本松」のクローン苗は40センチを超える高さまで育った

やなせたかしさん死去

 東日本大震災後、やなせさんは被災地に心を寄せていた。震災直後は「ぼくが空をとんでいくから きっと 君を助けるから」とアンパンマンの書き下ろしのメッセージ画を発表。傷ついた子供たちにエールを送った。さらに、「♪そうだ うれしいんだ 生きるよろこび…」の歌詞で始まる「アンパンマンのマーチ」が被災地のFMラジオで繰り返し流れ、子供たちは笑顔を取り戻していった。

 また、津波に耐えた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」を題材にした曲を制作。その縁で、クローン技術で育った一本松の“子供”4本に「ノビル・タエル・イノチ・ツナグ」と命名した。

 現在、4兄弟は岩手県滝沢村にある森林総合研究所・材木育種センター東北育種場でスクスクと成長。大きい物で40センチを超える高さになった。

 同所では、訃報に「大きくなった苗木の写真をお送りしようと思っていたところでした。残念です」と悼み、「陸前高田市に木を戻すのはあと2年ぐらいかかるでしょうが、ぜひ無事に返したい」と4兄弟を故郷に帰すことを誓った。また、戸羽太市長も「ご恩に報いられるよう、復興に向けて市民一丸で頑張っていく」とコメントした。

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2013年10月16日のニュース