三善晃さんが死去 先駆的な作曲、文化功労者

[ 2013年10月5日 19:54 ]

 歌曲から管弦楽曲までクラシックを幅広く手掛けた作曲家で、文化功労者の三善晃(みよし・あきら)さんが4日午前10時55分、心不全のため東京都内の病院で死去した。80歳。東京都出身。葬儀は親族のみで行った。後日お別れの会を開く予定。喪主は妻由紀子(ゆきこ)さん。

 東大文学部在学中の1953年、日本音楽コンクール作曲部門で優勝。優れたオーケストラ作品の作曲家に贈られる尾高賞を55年に受賞し、先駆的な音楽性が注目された。同年、パリ音楽院に留学した。

 戦争体験を背景に、日本語とクラシックの関わりを見つめ、生と死というテーマを音楽の中に追求し続けた。

 代表作に「レクイエム」「弦楽四重奏曲第1番」や、詩人の谷川俊太郎さんと組んだ合唱曲「風のとおりみち」「木とともに 人とともに」などがある。

 毎日芸術賞、フランス学術文化勲章などを受けた。2000年にはオペラ「遠い帆」でサントリー音楽賞を受賞した。金沢市の「オーケストラ・アンサンブル金沢」との共同作業で楽曲を提供した。

 桐朋学園大学長、東京文化会館館長などを歴任。99年日本芸術院会員。2001年文化功労者。著書に「ヤマガラ日記」「遠方より無へ」などがある。

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2013年10月5日のニュース