太秦に新ひばり座 5月に嵐山閉館で青春の地に復活

[ 2013年8月20日 06:00 ]

1959年公開の映画「白馬城の花嫁」で共演した鶴田浩二さんと美空ひばりさん

 故美空ひばりさんの新たな資料館が、10月12日に東映太秦(うずまさ)映画村(京都市右京区)にオープンする。「京都太秦 美空ひばり座」で、銀幕スターとしてのひばりさんに焦点を当てる。

 同じ京都・嵐山で約20年間続いた「美空ひばり座」が5月に閉館したばかり。別れを惜しんだファンにはうれしいニュースだ。同所内の展示施設「映画文化館」をリニューアルして開館。88年4月の東京ドームこけら落とし公演「不死鳥コンサート」で着用した赤、黒の2種類のドレスをはじめ、音楽、映画、舞台などジャンルを問わずゆかりの品が展示される。

 注目は映画のコーナー。生涯で170本の映画に出演したが、うち全93作の東映作品のポスター、写真を展示。さらに、台本や小道具、衣装もズラリ。「ひばりの森の石松」(60年)で着けたマントやかさ、「花笠若衆」(58年)の着物、役に合わせて着用した何種類ものカツラも公開する。出演作の一部映像も流す予定だ。

 京都は58年から6年間、映画撮影に集中するため居を構えた「第二の故郷」。特に、太秦映画村に隣接する「東映京都撮影所」は「森の石松」、「忠臣蔵」(59年)など63作を撮影した場所。男形や姫様役、芸者に子役と、さまざまな役柄を演じ、練習を重ね殺陣にも挑戦した。

 長男の加藤和也さん(42)によれば、5月に嵐山のひばり座が閉館し、ファンから別れを惜しむ声が多く聞かれた。そのため、映画村への移転を東映に持ちかけたところ、とんとん拍子に話が進んだ。和也さんは「思い出深い、青春の詰まった太秦に“京都太秦 美空ひばり座”として座せること、母も喜んでいるように思えてなりません」と言い、オープンが待ち遠しい様子だ。

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