「誰がカバやねん」吉本新喜劇の原哲男さん死去

[ 2013年1月24日 06:00 ]

藤田まこと(左)らと喜劇を盛り上げた原哲男さん(右)

 「誰がカバやねん」のギャグで知られる吉本新喜劇の往年の人気役者・原哲男(はら・てつお、本名柳原哲也=やなぎはら・てつや)さんが11日午後3時6分、肝がんのため大阪府堺市内の病院で死去していたことが23日、分かった。78歳だった。熊本県出身。関係者によると、4年ほど前からがんを患っており、すでに親族だけで密葬を済ませた。

 1953年に大阪のストリップ劇場などに出演し、その後、コメディアンに転身。63年に吉本興業に入社、西川きよし、坂田利夫、桑原和男らとともに吉本新喜劇のドタバタの礎をつくった。69年には座長となり、花紀京、船場太郎らと関西のお笑い界を盛り上げた。

 62年に始まった国民的番組「てなもんや三度笠」には64年ごろから出演し、故藤田まことさん演じるあんかけの時次郎の敵役で登場。2人の掛け合いで「誰がカバやねん」というギャグを生みだした。

 当時を知る同番組の澤田隆治プロデューサーは「剣劇をしており、殺陣ができるという触れ込みで入ってきたけど、何にもできなくてびっくりした。そのうち藤田さんとのウマとカバの掛け合いで大人気に。その後は演技もうまくなっていった」と振り返った。プライベートでは「ずっと腰の低い人だった。あまりしゃべらず、物静かだった」という。

 89年には吉本新喜劇を退き、テレビを中心に活躍。ABC系のドラマ「部長刑事」などにレギュラー出演した。オリバーソースのCMでも有名になった。2004年12月に「第33回上方お笑い大賞」で吉本新喜劇一同として審査員特別賞を受賞したのが公での最後の仕事となった。

 ▼西川きよしの話 兄さんと初めてお会いしたのは、漫才師になる前。吉本新喜劇にボクが通行人Aの役で出演した時でした。一言二言の短いセリフに僕が不要なアドリブを入れると、「そういうもんじゃないよ。目立ちたいのは分かるけど」と、いつもしかってくれました。やる気がある人には、ちゃんと指導してくれる人でした。

 ◆原 哲男(はら・てつお)1934年(昭9)3月21日生まれ。九州学院高を卒業後に剣劇「富士川昇一座」に入る。テレビではABC系「スチャラカ社員」「花の駐在さん」、読売系「吉本コメディー」などのバラエティー番組に出演。映画では「ゴー!ゴー!若大将」(67年)「野獣刑事」(82年)などに出演している。

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