植村花菜 被災地で慰問ライブ「今すぐにでも…」

[ 2011年4月9日 06:00 ]

終演後、ロビーに立ち募金活動をする植村花菜はファンと握手

 「トイレの神様」がヒットした歌手の植村花菜(28)が8日、名古屋市内で全国ツアーをスタートさせた。13日に配信を開始するチャリティー曲「きみとぼく」を初披露、収益は東日本大震災の被災地に全額寄付する。終演後には自ら募金を行った。また、被災地での慰問ライブも行う予定で、関係者によると「具体的な調整に入っている」という。

 「お願いしまーす!」終演後、募金箱の前で声を張り上げる植村に、観客1100人のほとんどが善意のお金を託した。

 舞台上からもメッセージ。「人は支えたり支えられたりして生きているということ、そして、つらい体験もいずれ必ず糧となり後に生かされるとの思いを表現した」という「きみとぼく」を初めてファンの前で熱唱。

 ♪傷付いたり 誰か傷付けたりして なくしてきたもの どれもすべて 今の僕には 必要だったんだ――。復興への願いを込めた歌声に涙を浮かべる観客もいた。

 95年に故郷の兵庫県川西市で阪神大震災を被災した経験から、これまでも積極的な支援を行ってきた。先月19日には福岡でのイベント後、急きょ募金を実施。「ほとんどの方が協力してくれた。でも被災地から遠いからなのか、実感できてないという方が多かった」と振り返る。「こういうことは、いつ誰に降りかかるか分からないこと。歌を通じてそのことを訴えていきたい」と話す。

 この日を皮切りに7月16日の兵庫県川西市まで全国30都市で公演。加えて「許されるなら今すぐにでも行きたい」と被災地でのライブにも意欲を見せた。関係者は「お誘いの声もあり、日程調整の段階まで来ている」と、実現が近いことを明かした。

 阪神大震災のときは、小学6年生。「水道が止まり、家族分の給水を家まで運ぶバケツがとにかく重かった」。つらい日々の支えになったのは歌だった。今度は被災地に元気を届ける番だ。

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2011年4月9日のニュース