海老蔵に“反論”リオン容疑者「1人で殴った」

[ 2010年12月12日 06:00 ]

市川海老蔵への“反論”となる供述を始めた伊藤リオン容疑者

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(33)が殴られて大ケガをした事件で、傷害容疑で逮捕された伊藤リオン容疑者(26)が警視庁の調べに「自分から因縁をつけて殴ったわけではない」と供述していることが11日、分かった。海老蔵はこれまでの聴取で「酔いつぶれた人を介抱していたら、男に因縁をつけられ、いきなり殴られた」と説明。双方の主張は全面的に食い違っており、警視庁は全容解明を急ぐ。

 捜査関係者によると、伊藤容疑者は「頭にきたのでやった。殴ったのは自分1人だけ。反省している」などと供述。具体的な動機については「後で整理して話したい」としているが、「海老蔵さんの言動が頭にきて殴った」と、海老蔵にも非があると主張した。
 また「自分はあまり酔っていなかった。事件当日に着ていた服は捨てた」とも供述。海老蔵の返り血が付いたために、証拠隠滅したとみられている。10日の逮捕時には、現金や着替えを所持していたが、携帯電話は持っていなかったという。身柄を確保されたのは、東京・台場の路上だった。警視庁は暴行の理由や経緯についてさらに詳しい事情を聴く方針。
 焦点となっている事件の端緒は、依然として双方の言い分が食い違ったままだ。海老蔵は7日の記者会見で、自らの暴行を否定した。伊藤容疑者の先輩である元不良グループのリーダーが酔いつぶれたため介抱していただけで、原因を作ったのは自分ではないと主張。「どうして事件が起こってしまったのか」という質問に、「それは私にも分かりません」と回答。あくまでも自分は“被害者”とした。
 一方、伊藤容疑者は逮捕後の調べに「海老蔵さんに胸ぐらをつかまれたため、思わず振り払ったらけんかになった」「一方的に因縁をつけて殴ったわけではない」などと説明。元不良グループ側はこれまで、海老蔵が灰皿で元リーダーの頭を殴った、髪の毛を引っ張った、などと主張。見かねた伊藤容疑者が暴行したとし、発端は海老蔵にあるとしている。今週中にも元リーダーは被害届を出す意向だ。
 海老蔵は会見で「何人かに殴られたと思う」と話しており、警視庁は、伊藤容疑者と一緒にいた仲間からも聴取、関与の有無を調べる。伊藤容疑者は「話をしなければいけないと思って出頭した」としており、今後の供述で海老蔵に“反論”していくとみられる。

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2010年12月12日のニュース