小春団治PRに一役 80年ぶり落語「国勢調査」

[ 2010年10月14日 18:48 ]

 上方落語の桂小春団治さんが17日、東京都内で落語「国勢調査」を演じる。初代の小春団治が1930年の国勢調査に合わせて創作した落語で、80年ぶりのお披露目。総務省が原作を入手し、当代(三代目)の小春団治さんに「落語を通じて今年の国勢調査をPRしてほしい」と依頼した。

 落語「国勢調査」は、初代小春団治が80年前に大阪市の国勢調査宣伝委員に任命されたのをきっかけに創作し、同市内で演じた。国勢調査員を務める医者が近所の世帯を回る設定。調査票の記入や提出をめぐる家人の勘違いなどのやりとりをユーモラスに描いている。
 昨年10月、神奈川県の男性が初代小春団治作の落語「国勢調査」を掲載した1930年9月発行の雑誌を総務省に届け、同省が今春、小春団治さんに掲載誌を見てもらい公演を依頼した。小春団治さんは初代夫人の許可を得て、大阪と東京で演じることを決定。大阪公演は9月に開催した。
 小春団治さんは「80年間埋もれていた落語をやることに意義がある。古美術品を修整して展示するように原作の持ち味を生かして演じるので、当時の空気を感じてほしい」と話している。
 今月1日現在の国勢調査では、22日から未提出世帯の調査員訪問が始まるが、総務省は「最後の追い込みに向けたアピールになれば」と期待している。

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2010年10月14日のニュース