繁昌亭で全盲の落語家・桂福点がデビュー

[ 2009年11月16日 19:04 ]

 高校生のときに全盲になりながらも、努力を重ねて落語家になった桂福点(本名桝川明)(41)が16日夜、上方落語の定席、天満天神繁昌亭(大阪市北区)でデビューを果たした。

 師匠の桂福団治(69)の一門会で「延陽伯」を披露、約220人の笑い声と拍手に包まれた。「ええお客さんばかりやと思った。師匠に『ほんまに良かった』と言ってもらうのが夢」とほっとした様子で語った。
 福点は先天性緑内障のため、生後すぐに右目の視力を失った。中学時代から左目の視力も落ち始め、高校で失明。その後、幼少時から好きだった落語や音楽のほか、障害者支援などの活動に参加し、1996年からは、手話落語に取り組んでいる福団治の指導を受けてきた。
 「音福亭MAKA」の名前で活動していたが、今年9月、福団治から「実力は十分なので、プロとして『桂』を名乗ったほうがよい」と勧められ、正式に入門。「福点」の名前には点字の“点”と、10番目の弟子の意味が込められている。
 話芸を口伝えに教えるだけでなく、小道具の使い方などを手取り足取り指導してきた福団治は「見えないことで深まった想像力、表現力を生かした落語をさらに磨いてほしい。きっとみんなに愛される落語家になれる」と期待している。

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2009年11月16日のニュース