菅野美穂 産科界のジャンヌ・ダルクに

[ 2009年11月13日 06:00 ]

 「チーム・バチスタの栄光」などの医療ミステリーで知られる海堂尊氏の小説「ジーン・ワルツ」が菅野美穂(32)主演で映画化されることになった。現役医師が産科医療にメスを入れた人間ドラマ。菅野は“産科医療界のジャンヌ・ダルク”と呼ばれるドクターで初の女医役に挑戦する。東映配給で10年秋以降の公開。

 菅野が崩壊の危機にあるとされる産科医療に鋭くメスを入れる。「ジーン・ワルツ」は美人産婦人科医の理恵が主人公。医師不足で産科の閉鎖が相次ぐなど社会問題化している中、厳しい状況に立ち向かう姿が描かれる。
 子供を産みたいと願う不妊の母親を救うため、日本では規制されている代理母出産にも取り組む難しい役どころ。松橋真三プロデューサーは「今まで“いい人”の印象が強かったが、一風変わった女性を演じると面白いと思った」と説明する。
 現在も病理医として勤務する海堂氏が執筆した「チーム・バチスタ…」、「ジェネラル・ルージュの凱旋」は、竹内結子(29)主演で映画化。2作で興行収入25億円を記録した。
 「ジーン・ワルツ」の原作単行本は、08年に新潮社から刊行され15万部のヒット。テレビ局、映画会社など10数社が映像化の権利を争った。海堂氏は菅野主演の脚本を絶賛し「壊滅寸前の産婦人科医療の現実と希望。勇気ある映画化で配役もイメージ通り」と期待。自らも医師役で銀幕デビューすることになった。
 撮影は今月7日に終了。現役の産婦人科医師が監修を務め、帝王切開の様子などを忠実に再現。実際の出産現場にもカメラが入ったことで、生命力あふれる赤ちゃんが映し出され、「命の誕生」の奇跡を描いたドラマを盛り上げる。
 菅野自身もアラサーで、最近知人が出産したことも重なって、思い入れたっぷりの様子。「赤ちゃんが健康に生まれてくることは決して当たり前のことではなく、それ自体が奇跡なんだということをあらためて実感することができた」と話している。人気ドラマ「働きマン」(07年)の週刊誌編集者、「キイナ~不可能犯罪捜査官~」(09年)の刑事に続き、新たな働く女性像を打ち立ててくれそうだ。

続きを表示

2009年11月13日のニュース