勘太郎“念願”女優と共演も「仏門で絡みなし」

[ 2008年4月21日 06:00 ]

おりん役の内田有紀に手を合わせる道元役の中村勘太郎

 歌舞伎俳優の中村勘太郎(26)の初主演映画「ZEN」の撮影が、平安時代の建物を再現した岩手県奥州市の「えさし藤原の郷」で行われている。禅を広めた曹洞宗の開祖・道元役の勘太郎は、毎朝20分かけて頭をそっての熱演。いつもは女優との共演がほとんどないが、今回はヒロイン役に内田有紀(32)が出演。しかし、「仏門なので、絡みがなくて…」と残念がった!?

 「えさし藤原の郷」は10年前、歌舞伎の「勧進帳」で義経を演じた場所。勘太郎は、主演という“大役”を背負って戻ってきた。地元のエキストラ約150人が武士や町民に扮し、道元が内田が演じるおりんと再会する場面などを撮影した。
 実は今回、内田との共演シーンを楽しみにしていた。「女優さんとの共演に恵まれてこなかったから」と笑う。歌舞伎では女優との共演はなし。00年の舞台「浅草パラダイス」では恋する相手が母親ほど年齢の離れた渡辺えり(53)。牧瀬里穂(36)と共演した00年の映画「ターン」では電話で話すだけ。04年のNHK大河「新選組!」も男ばかりだった。
 「ようやく!と思っていたら、今度は道元で仏門」と悔しがった。再会シーンでは、友人を寺に連れて来てくれたおりんに「ありがとう」と深々と一礼するだけ。撮影の合間には親しく談笑し「不思議な魅力を持った女優さん」と感じたという。内田は「無邪気なのに、撮影が始まった途端、ものすごい力が出ますね」と感服していた。
 同所での撮影は23日まで行われ、すべてが順調。昨年11月には役作りのため福井県の永平寺で3泊4日、禅の修行。06年6月に右ひざじん帯を断裂し、今もつながっていないが「座禅には、その痛みを上回る何かがある」と、ほぼ日課にしている。頭髪も毎朝20分かけて、自ら電気シェーバーでそる力の入れよう。高橋伴明監督(60)も「適役」と太鼓判。全身全霊を込めて演じているだけに「観客に“これでどうだ!”とお見せできます」と自信を見せた。2009年新春公開予定。
 

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2008年4月21日のニュース