【広島・九里インタビュー】初の開幕投手が目指す200投球回 フル回転するための「準備」は整った

[ 2024年2月29日 06:00 ]

開幕に向けての気持ちを語った広島・九里(撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

 オープン戦も本格化し、開幕まで1カ月。春季キャンプを終えたばかりの広島・九里亜蓮投手(32)が本紙の単独インタビューに応じた。自身初の開幕投手に内定している11年目右腕は「200投球回」を今季の目標に掲げ、大黒柱としてフル回転の活躍を誓った。昨秋から、投球フォーム改造にも着手し、新球習得を目指すなど、挑戦を続けて進化を期す。 (取材・構成=長谷川 凡記)

 ――春季キャンプを終えて調整はどうか。
 「キャンプに入る前に、自分でプランを立てて、そのプラン通りに進められた」

 ――自身初の開幕投手にも内定。
 「任せられた試合で、全力で腕を振っていくだけ。中6日だろうが、中5日だろうが、中4日だろうが、“行け”と言われたら、腕がちぎれてもいいくらいの気持ちで投げたい。昨季以上に、チームの勝利に貢献したい」

 ――同学年の大瀬良は昨季まで開幕投手を5年連続で務めた。
 「大瀬良に、“おめでとう。頑張って”と言ってもらった。昨年まで5年間、大役を務めてきた投手が近くにいるのは心強い。何かあれば聞いて、アドバイスをもらえたら」

 ――今年こだわっていく数字は。
 「昨年のファン感謝デーの時に安仁屋宗八さんから、“200イニング投げないとダメだよ”と言われた。僕も200イニングを目指してやりたい。昨年は174回1/3を投げたが、あと26イニング伸ばさないといけない。レベルアップが必要だと感じている」

 ――レベルアップするために取り組んでいることは。
 「昨シーズンが終わってから投球フォームを変えて、直球に対するこだわりをさらに強く持ってやっている。(米ワシントン州シアトルに拠点がある野球の研究・トレーニング施設の)ドライブライン・ベースボールの講習でジャンプの測定をした時に、重心を下げた状態でのパワーよりも、重心が高い位置でのパワーの数値が高かった。(投球時でも)高いパワーを出せる重心にするには、(投球時の)歩幅を狭くしないといけないと思い、取り組んでいる」

 ――投球時の歩幅はどれくらい変えた。
 「昨年は踏み込む時の歩幅が7歩あった。今は6歩いかないくらいでやっている」

 ――投球フォーム改造と並行して取り組んでいることは。
 「ずっとツーシームを投げていたが、そこに頼る投球スタイルになってしまう時もあった。頼らないためにも、新しくスプリットチェンジアップに取り組んでいる。チェンジアップ(の球速)が120キロとかなので、それより速くなればいいかなと。球速差をつけてね。昨年とは違う配球になると思う。いろいろなところに挑戦していきながら、成長していきたい」

 ――ボールの握りなどを参考にした選手は。
 「YouTubeで、メジャーの選手を参考にしたり、言い出したらきりがないくらい選手の動画を見ている」

 ――新球のスプリットチェンジアップの手応えは。
 「自分の中で、ある程度、“これでいけるんじゃないかな”というのは見つけている。あとは変化量を一定のものにしたい」

 ――挑戦心が強い。
 「まだまだレベルが低いと思っている。もっとレベルアップをして、信頼される投手になりたいと思って、常にやっている」

 ――開幕まで1カ月。どういうふうに過ごしていく。
 「試合(オープン戦)で、課題を持ってやっていき、いい状態で開幕を迎えたい」

 ――今シーズンに向けた意気込みを。
 「200イニングは目指してやりたい。そこに対して強い意志を持ってやっていけば、他の結果も自然とついてくると思う。自分の勝ち負けよりも、チームの勝ちに多く貢献して、リーグ優勝、日本一を目指してやっていきたい」

 〇…開幕投手に内定している九里が3月2日の楽天戦(倉敷)で今春初の実戦登板を果たす。先発で2~3イニングを予定。「直球を投げた上での打者の反応だったり、直球の腕の振りで、変化球を投げられるのかも課題にしたい」とテーマを掲げた。同29日のDeNAとの開幕戦(横浜)に向け、ここから本番モードに突入。「課題をつぶしていき、いい状態で開幕を迎えたい」と見据えた。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年2月29日のニュース