松坂大輔氏 ドジャース・大谷の本塁打に見た「当たり前が通用しない」修正能力の高さ

[ 2024年2月29日 01:30 ]

オープン戦   ドジャース9―6ホワイトソックス ( 2024年2月27日    グレンデール )

<ドジャース・ホワイトソックス>観戦する松坂氏(撮影・白鳥 佳樹)
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 【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】乾いた打球音。持ち味の逆方向への当たり。ユニホームの色は青に変わっても、ドジャース・大谷選手が持つ能力の高さはまるで変わらない。その事実を改めて見させてもらいました。

 オープン戦初戦。自分は三塁側スタンドから観戦していました。投手の目線で注目していたのは、手術明けでどれだけバットがスムーズに振れているのか、という点です。打撃練習の映像などでは問題がなさそうに見えても、実際の試合の中でのプレーは練習とは比にならないほどの負担がかかります。それでも1打席目からしっかりとバットを振り切れているように感じましたし、最初の段階としてはこれまで通り試合に臨めていたのではないでしょうか。

 5回の本塁打は、打席の中での修正能力の高さが光りました。3回の2打席目は初球をミスショット。3打席目も4球目の空振りを見て「まだちょっとズレがあるかな…」と感じました。久しぶりの実戦。それが当たり前だと思いましたし、これから試合、打席を重ねることでズレをなくしていくのだと。しかし大谷選手は直後の際どいコースの5球目を見極め、6球目をはじき返しました。当たり前、が通用しない。それが大谷翔平なのでしょう。

 打球として本人がどこまで満足しているかは分かりません。仕上がり具合はまだまだだと思います。大谷選手が求めているものと実際にできていることのズレはあるでしょう。それをこれから打席を積み重ねていくことで、開幕に向けて100%に持っていくよう、さらに状態を上げていくのだと思います。

 それにしてもベッツ選手、大谷選手、フリーマン選手の1~3番は凄い打線ですね。フリーマン選手が3番に入れば、前を打つ大谷選手が勝負してもらえる可能性は高くなる。それはベッツ選手にも同じことが言えます。大谷選手が一人入ることで、他の選手に与える相乗効果は非常に大きいと感じました。(スポニチ本紙評論家)

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