医療施設で子供たち勇気づけた阪神・原口の希望 「僕の支えは野球 またやりたいからずっと頑張れた」

[ 2024年1月28日 05:15 ]

チャイルド・ケモ・ハウスを訪問し、子どもと交流した阪神・原口(左)(撮影・平嶋 理子) 
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 阪神・原口文仁内野手(31)が27日、神戸市の小児がんなどの医療施設「チャイルド・ケモ・ハウス」を訪問し、病気の子供たちとキャッチボールするなど触れ合い、勇気づけた。

 19年1月に大腸がんを告知されて手術し、同年6月に復帰。同年11月に施設を初めて訪問し、コロナ禍の間は控え、今回が5年ぶり2度目だった。5年間続けている1安打と1打点につき1万円の寄付活動。今回は昨季10安打&8打点に22年オフに受賞した「若林忠志賞」の活動資金の一部50万円を合わせた計68万円を贈った。

 「コロナなどで、なかなか子供たちに会えなかったが、やっと笑顔を見られた。治療の大変さ、支えていく周りの人の気持ちは分かる。ご家族の方たちも頑張ってほしい」

 原口の方が、より大きな元気をもらったのかもしれない。昨季のリーグ優勝と日本一、そして今月23日に手術から5年の最後の診察で「完治」したことを祝福された。

 過去の定期健診でも医師から「良くなっていますよ」という言葉を伝えられ、最後に完治と聞いた時は「本当に良かったですし、ホッとした」とこみ上げてきたのは素直な感情だった。続いて湧き上がったのは野球への情熱。試合に出たい、安打を打ちたい、試合に勝ちたいの欲がいっそう強くなった。

 「自分の中で一つの区切りを迎えてキャンプが始まる。もっと成績を上げないといけないし、5年前にがんと宣告された時の気持ちを一生忘れない。僕の支えは野球。また野球がやりたいから、ずっと頑張れた」

 1月の自主トレではバットを振り込むのはもちろん、一塁でノックを受け、4つのベースを全力で駆け回っている。1試合でも多く、1イニングでも長く、グラウンドに立ちたくて仕方がない。(畑野 理之)

 《秋山から全快祝いでワイン》原口は09年ドラフトの同期入団で同世代の秋山から、「全快祝いをしてもらいました」とうれしそうだった。診察で完治と告げられた23日夜に、たまたま食事をする約束をしていたという。「そしたら“待ち合わせにちょっと遅れるわ”という連絡があって、遅れるんだ…と思っていたら、急きょ、ワインを買いに行ってくれていたんです」。まだ栓を開けられず、自宅に大事に飾っている。

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