ソフトB山川「ホームランを打つことが一番」 自主トレ公開し、キング奪回を誓う

[ 2024年1月28日 06:00 ]

打撃練習するソフトバンク・山川(撮影・成瀬 徹)    
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 西武から国内フリーエージェント(FA)権を行使し、ソフトバンクに加入した山川穂高内野手(32)が27日、福岡県筑後市のファーム施設で自主トレを公開した。昨季は女性トラブルの不祥事を起こし17試合出場にとどまったが、打撃練習ではブランクを感じさせない力強い打球を披露。ホームランへのこだわりを語り、2年ぶり4度目となる本塁打王のタイトル獲得に意欲を示した。

 失った信頼を取り戻すには結果を出すしかない。昨年12月の入団会見以来、約1カ月ぶりに公の場に姿を現した山川は、そのことを肝に銘じていた。目標として明言こそしなかったが、視線の先にあったのは2年ぶり4度目の本塁打王。「ホームランを打つことが一番だと思っている」と移籍1年目の抱負を語った。

 再出発へ向けて元日から動き出した。新しい年を迎えた瞬間からスイングを開始。「また一からスタートしたい気持ちだった」。例年は沖縄で自主トレを行うが、FA移籍の決断が遅れたことでグラウンドを用意することができずに、栃木、東京、福岡と練習場を転々とした。「例年と違う流れの自主トレになっている。暖かいところではできなかったので、例年に比べるとちょっとだけ汗をかく量が減ったかな。量的にも質的にもしっかりできたかなと思う」。ほぼ休みなく動いて状態を上げてきた。

 この日は同じ沖縄出身の嶺井、リチャードと汗を流し、ストレッチ、ランニング、キャッチボール、遠投などをこなし屋内で打撃練習も行った。女性トラブルがあった昨季は西武で17試合出場にとどまり、5月11日を最後に公式戦から遠ざかるが、「普通のシーズンでも3カ月近くは離れて感覚はゼロになる」と実戦感覚について不安はないと強調。ティー打撃、フリー打撃で力強い打球を連発させた。

 小久保監督は山川のレギュラーこそ確約していないが、「実戦から離れていても十分に1軍の戦力」と2月1日開始の春季宮崎キャンプで主力中心のA組でスタートさせることを決めた。山川は「何とか食らいついていきたい」と意気込む。

 いよいよ始まる新天地でのシーズン。嫌でも注目が集まるが、ブーイングを受けることも覚悟した上で「打席に入れば今、目前にあるボールを全力で打つだけ。守っている時だってそう。勝つためにプレーするだけ」とチームを優勝に導きたいと語った。(森 寛一)

 《本塁打王4度以上なら史上9人目》山川は西武時代に3度本塁打王を獲得。本塁打王の最多記録は王貞治(巨)の15度で、4度以上なら史上9人目だ。また、2球団で本塁打王は落合博満(ロ3度、中2度)ら6人いるが、パ2球団で手にすれば初めてになる。

 《佐々木朗希への雪辱誓う》山川は今季の契約を更改したばかりのロッテ・佐々木との対戦を心待ちにした。「当たらない、速いのでとにかく。もし対戦する機会があればまずは当てたい。いっぱい三振も食らっているので」。過去の対戦は5打数無安打で3三振と完敗。「そこはやり返したい気持ちはあるけど、佐々木朗希君よりはキャンプ初日しか見えていない部分があるので。そこは対戦するときが来たら言いたい」と話した。

 《“師匠”の打撃にリチャードは感銘》山川と一緒にトレーニングを行ったリチャードは「凄い!」と“師匠”のスイングに改めて感銘を受けていた。19~23年には山川の自主トレに参加。当時から変わらない打撃技術の高さに触れ、「ティー打撃の1スイング目から固まったフォームで振れている。自分のスイングを持っている。やっぱり違う」とうなった。今年は強力なライバルとなるが、勝るとも劣らないパワーで1軍定着を目指す。

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