巨人・吉川尚輝 球界屈指の二塁守備も伸びしろ大 上位打線定着で優勝&GG賞へ

[ 2024年1月24日 07:15 ]

ジャイアンツ球場で自主トレを行う吉川(撮影・西川祐介)
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 巨人の4年ぶりV奪回には、この男の存在が不可欠だ。球界屈指の守備力を誇る、吉川尚輝内野手(28)。これまで何度もチームの窮地を救ってきた。

 昨季、守備範囲を数値化した指標「UZR(アルティメット・ゾーン・レーティング)」では二塁で12球団断トツ。ゴールデン・グラブ賞を10年連続で受賞していた広島・菊池の牙城を崩すかと思われていたが、初の受賞とはならなかった。発表があった昨年11月10日は、主力では異例の参加となっていた宮崎秋季キャンプ中。結果を目にし「あかんかったな」と悔しがった。

 それでも、自信になることもあった。

 「守備を評価していただいたというのは、自分の中で凄くうれしかった」

 同11月の契約更改交渉では2000万円アップの年俸9000万円でサイン。昨季は2年連続で規定打席到達も、打率は・256と苦しみ「打つ方でなかなか貢献できなかった」と振り返っていただけに、減額提示も覚悟していた。だが、球団は守備面の高い貢献度を評価した。

 俊足を生かした広い守備範囲と強肩で、アウトを量産する二塁守備だが、完成形ではない。人生で初めて二塁を守ったのは中京学院大4年時の大学日本代表。本職は遊撃だった。二遊間とひとくくりにされることも多いが、打球に対しての動き方やカバリングなど「真逆」とも言える動きも多く「逆シングルの角度とか送球とか全然慣れなかった」と難しさを口にする。「(打球を)待ってていいと思ってからかな。最近やっと慣れてきた」と話したのは今季終了後なのだから、伸びしろはまだまだある。

 課題にもしっかりと向き合っていた。阿部監督の構想でも門脇と1、2番の起用が期待されている28歳。昨季は好不調の波もあり、終盤は8番起用が主だった。「嫌らしい打者」を掲げ、オフは宮崎秋季キャンプ終了後も打撃に特化。「秋のキャンプからやってきたことをしっかり固める」と自主トレでは練習時間のほとんどを打撃に費やした。

 チームとしても、個人としても勝負を迎える24年。優勝争いも、熾烈(しれつ)な二塁のゴールデングラブ賞争いも、キーマンになることは間違いない。(記者コラム・小野寺 大) 

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