殿堂に資格1年目で選出されたベルトレとマウアー ダルビッシュ、西岡らとの絡みで思い起こす現役時代

[ 2024年1月24日 14:05 ]

 レンジャーズで三塁手としてプレーしたエイドリアン・ベルトレ氏=2018年7月、米フェニックス(AP=共同)
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 米国野球殿堂は23日(日本時間24日)、今年の殿堂入りメンバーを発表。エイドリアン・ベルトレ元三塁手(44)、ジョー・マウアー元捕手(40)、トッド・ヘルトン一塁手(50)が選ばれた。うちベルトレとマウアーは資格1年目で初めて投票対象となっていた。

 筆者は10度目の殿堂投票になるが、今回特に感じたのは初めて投票対象となった選手が04年から18年くらいまでの間に、日本人メジャーリーガーたちとチームメートだったり、戦った選手が多く、何度も取材をした経験があったということ。

 ベルトレはドジャースでは野茂英雄、石井一久、マリナーズではイチロー、レンジャーズではダルビッシュ有らと一緒だった。02年のチームでは、エリック・キャロス一塁手、ショーン・グリーン外野手ら30代のベテランが多くいて、23歳のベルトレは小さくなっていた感じだった。それが17年、38歳の時は、押しも押されぬリーダーで、親分のような存在。ダルビッシュが「レンジャーズは服装とかルールが一番厳しいし細かい。ベルトレがルールなので、悪いというのではなくて、古き良きというか、そういうところがある」と話したほどだった。印象に残るのは特殊なスローイング。三塁手であればゴロを処理して、流れるような動きの中で一塁に投げるのだが、彼は捕球後ぴたりと足を止め、そこから矢のような送球を見せた。

 マウアーは11年に西岡剛がツインズ入りした時の看板選手。09年のア・リーグMVPで、捕手で3年連続ゴールドグラブ賞獲得、3度も首位打者に輝いていた。大スターなのに、謙虚で偉ぶったところは全くなく、あの年のキャンプは12月に左ひざの手術を受けて出遅れていたが、紳士的で、記者にも丁寧に接してくれた。西岡にも親身に接し、マウアーの軸足が動かず、身体が前に行かない打撃フォームについて質問を受けると、「身体が前に行くとアウトコースが届かない。しっかり軸が残っていれば外側も引き付けてバーンと力の入った打球を打ち返せる」と説明し、西岡も感謝していた。

 他には09年のワールドシリーズで打ちまくり、フィリーズが勝っていれば松井秀喜の代わりにMVPだったかもしれないチェイス・アトリー二塁手、松井稼頭央とメッツで一緒にプレーしたデビッド・ライト三塁手とホセ・レイエス遊撃手、川崎宗則と仲が良かったブルージェイズのホセ・バティスタ外野手、黒田博樹と何度も死闘を繰り広げたパドレス時代のエイドリアン・ゴンザレス一塁手など、思い出深い。筆者は今回初めて投票対象となった選手の中では、ベルトレ、マウアー、アトリーに投票している。

 来年はイチローが初めて投票対象となり、満票の可能性も囁かれている。他にはダスティン・ペドロイア、イアン・キンスラー、CC・サバシア、フェリックス・ヘルナンデス、ラッセル・マーチンなどだ。ぺドロイアについては松坂大輔の1年目にア・リーグ新人王、2年目にMVPに輝き、レッドソックスの牽引車だった。キングフェリックスについては岩隈久志と両輪でマリナーズのローテーションを引っ張っていたことなど思い出される。(奥田秀樹通信員)

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