【新春対談 オリ・舜平大×能見篤史氏(2)】「今年は、その姿を見たい」能見氏が舜平大に期待するのは…

[ 2024年1月4日 05:00 ]

リーグ4連覇、さらにその先もずっと!と色紙に「連覇」と記した山下(左は能見氏)(撮影・後藤 大輝)
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 本紙評論家・能見篤史氏(44)と昨年、新人王を獲得した次世代エース候補のオリックス・山下舜平大投手(21)の新春対談が実現した。後編では能見氏が「エースになれる存在」と明言し、山下も2年連続開幕投手や最優秀防御率のタイトル獲得へ意欲をみせた。 対談動画の前編はこちら  対談動画の後編はこちら

 能見 (昨年12月の契約更改後に)今季は先発として中6日で回ると意気込みを示していたね。

 山下 もちろんです。それが当たり前で、やらないといけないという気持ちで(オフの練習も)やっています。

 能見 山本投手も移籍(※1)したので、ゆくゆくは舜平大投手が、そこに当てはまるだろうなとみんな思っている。宮城にエースの座を渡すわけにはいかないしね。

 山下 そうですね(笑い)。

 能見 目指すエース像は?

 山下 難しいですね。自覚はそこまでないというか、分からない。そこまでの成績を残していないですし。評価されて、結果を残し続けて、そういうポジションに就くと思うので、結果を出していくことを、全力でやっていきたいなと思います。

 能見 私は周りから「エース」と呼ばれるのが凄く嫌だった。それ(エース)に当てはまるかといえば微妙だった。舜平大投手は素質というか、持っているものはエース像に当てはまる。こういう投手がエースなんだなと。ゆくゆくはエースになると思うね。

 能見 今年は背番号も12から11に変えた。

 山下 背番号のこだわりは全くなくて、11番をつけたいなと思ってお願いしたので。エース番号は18番ですよね。

 能見 それは球団によっていろいろ。11番は似合いそうだね。12番はあまり好きじゃなかったの?

 山下 (12番は)野手がつけているイメージだったので。気に入ってはいたんですけど、(山崎福さんが移籍して11番が)空いたので、(球団に)言ってみるだけというか、チャンスがあったので。

 能見 (1歳年上の)宮城とは仲が良いみたいだね。どっちが絡みにいくの?

 山下 どっちもですね。宮城さんっていろいろな人とコミュニケーションを取るのがうまい。イジりもするし、イジられもします。

 能見 (山下投手が)イジられるの?

 山下 (僕の方が)年下なんで。(宮城さんは)話しやすいですし、いろいろな人と仲が良い。人柄だと思います。

 能見 しかし宮城はまだまだだったね。(昨季の)公約(※2)も結局(10勝4敗で)守ることができなかったからね。

 山下 宮城さんはあんな感じですけど、凄いんです。侍ジャパン(※3)ですし、3年連続2桁(勝利)凄いっすよ。

 能見 でも友達みたいな感覚?

 山下 友達というか…。いい関係ですね。切磋琢磨(せっさたくま)というか、“お互い負けないぞ”と思っていることがいいと思うので。もちろん宮城さんより勝ちたいと思っています。宮城さんは僕のことを、どう思っているか分からないですけどね。

 能見 ある程度、(宮城も)意識していると思うよ。

 山下 全部の数字で(宮城さんを)上回りたいという気持ちはあります。

 能見 あいつはタイトルを狙っているからね。(山本)由伸が抜けてチャンスだと思っているからね。阻止してよ。獲りたいタイトルはある?

 山下 防御率はかなりこだわっています。こだわりたいと思います。

 能見 年間を通して投げたら、ある程度(数字は)ついてくると思う。基本的に打たれるイメージはないので、(防御率は)1点台にはなるんだろうけど、奪三振もチャンスはある。勝利数は(援護との)兼ね合いがあるからね。

 能見 開幕投手へのこだわりは?

 山下 去年(※4)よりはこだわりもありますし、もう一度、投げたいなという気持ちも強いです。

 能見 (3月29日の開幕戦は)京セラドームだし、ソフトバンクだしね。

 山下 まあ、どこで投げようと変わらないですけどね。

 能見 私は3回(※5)経験しているけど、独特の緊張感があるね。野手の緊張感も凄く伝わる。そういう独特の雰囲気は開幕戦しか味わえない。そこにふさわしい投手であることは間違いない。

 能見 最後に今年の目標を。

 山下 毎年キャリアハイで終われるように、過去の自分を上回る。2桁勝って宮城さんも上回れるように頑張ります。リーグ4連覇も懸かっているし、もう一回、日本一になって、みんなと喜びを分かち合えたらなと思います。

 能見 ケガだけはしないように。あとはクライマックスシリーズ、日本シリーズという舞台で投げてほしい。今年は、その姿を見たい。

 (※1)ポスティングシステムでメジャー移籍を目指し、12月21日(日本時間22日)にドジャースと12年総額3億2500万ドル(約461億5000万円)で契約合意。

 (※2)23年元日付の本紙紙面で対談し、能見氏が「15勝」のノルマを設定。

 (※3)23年3月の第5回WBCに出場。登板は同11日のチェコ戦のみだったが、救援で5回を投げ7奪三振で1失点。

 (※4)23年3月31日の西武戦でプロ初登板。5回1/3を1失点で勝敗はつかず。

 (※5)阪神時代の11年○、12年勝敗なし、14年●で通算1勝1敗。

 ◇能見 篤史(のうみ・あつし)1979年(昭54)5月28日生まれ、兵庫県出身の44歳。鳥取城北から大阪ガスを経て04年ドラフト自由獲得枠で阪神入団。12年に172奪三振で初タイトル。20年オフにオリックスへ投手コーチ兼任で移籍し、22年限りで引退。通算成績は474試合で104勝93敗4セーブ、防御率3.35。13年WBC日本代表。左投げ左打ち。

 ◇山下 舜平大(やました・しゅんぺいた)2002年(平14)7月16日生まれ、福岡県出身の21歳。福岡大大濠では1年秋からベンチ入りし、コロナ禍で甲子園大会が中止となった3年夏は、福岡県代替大会で地区準優勝。20年ドラフト1位でオリックス入り。23年3月31日のシーズン開幕の西武戦で1軍初登板初先発。9勝(3敗)でリーグ3連覇に貢献。1メートル90、98キロ。右投げ右打ち。

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