広島・床田「ワンチャン9500ぐらいかな」と思ったら倍増1億円 球団日本人左腕では大野豊以来の大台

[ 2023年12月2日 05:45 ]

契約更改した広島・床田
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 広島・床田寛樹投手(28)が1日、広島市南区の球団事務所で交渉し、今季5000万円から倍増の年俸1億円で契約を更改した。球団の日本人左腕では大野豊(最高年俸は95~96年の1億1200万円)以来、2人目の大台到達。来季に向けては170イニングを自らに課し、今季を上回る成績でリーグ優勝と日本一への貢献を誓った。(金額は全て推定)

 床田は思わずキョトンとして目を大きく見開いた。「9000、ワンチャン9500ぐらいかな」と予想して臨んだ契約交渉。今季年俸から倍増となる1億円の提示に驚きと喜びを隠せなかった。

 「思ったより多かったのでビックリした。マジか…みたいな顔をしちゃったので、逆に“何かある?”と言われて。プロで立てた3つの目標の1つだったのでうれしいです」

 今季は昨夏に右足首を骨折した影響を感じさせず、緩急と変化球を巧みに操って先発陣をけん引。24度の登板(先発23、救援1)で7年目にして初の規定投球回に達する156回を投げて2桁11勝(7敗)を挙げ、防御率2・19を含めてキャリアハイの成績を残した。新境地を開いた成果だった。

 「同じ変化球でも強弱をつけたり、この打者と無理に勝負しなくていい…とか。今までと違って、周りを見られるようになった。選択肢が増えた」

 ケガの功名と言えるかもしれない。左肘痛を抱え「球数を減らしたい、早く抑えたい」と念じながら凝らした工夫。「それが前半はまり」、余裕が生まれたことで安定したパフォーマンスにつながった。それでもまだ28歳は高みを目指す。

 「1年だけじゃ意味がない。何年も続けられるように。勝ち星は自分でコントロールできないけど、イニングは自分が抑えれば投げられる。170(イニング)はいきたい」

 良いこと、悪いこと「両方経験できた」と振り返る7年目。「後半もたなかった」と冷静に分析する通り、夏場以降の失速は来季への糧になる。阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで味わった悔しさもまた、負けじ魂を激しく揺さぶる。

 「もっとやれたんじゃないか。すべてでキャリアハイを残したいし、CSのような思いはしたくないので、優勝して日本一になれるように頑張りたい」

 カード初戦にエース級と投げ合うケースが増えた中で残した数字は本物だ。残る目標(1)10年以上プレーする(2)FA権を取得する…を視界に捉える8年目。先発陣の核としての自覚を胸に、左腕は好テンポの投球でチームを勝利へと導く。(江尾 卓也)

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