阪神・木浪　“ミスター・オクトーバー”の勢い止まらない!日本シリーズでは虎の8番打者初の3安打

SMBC日本シリーズ2023第3戦   阪神4ー5オリックス （ 2023年10月31日    甲子園 ）

＜神・オ＞7回に右前打を放った木浪（撮影・大森　寛明）
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　阪神・木浪は敗戦後の帰路で唯一安打が出なかった打席を真っ先に悔やんだ。

　「大事なところで1本打てなかった。そこだけが悔しい」

　1点を追う8回2死二塁。カウント1―2から宇田川のフォークにバットが空を切った。同点機を逃しても「恐怖の8番」の勢いは日本シリーズでも健在だ。3安打で奮起し、敗戦の中でも猛虎打線を活気づけた。

　まずは2回だ。1点を先制し、なお2死一塁で東のチェンジアップを左中間へ二塁打。5回1死では148キロの内角直球を引っ張り込んで右前へ打ち返した。4点劣勢の7回無死一塁では山岡に3球で追い込まれながら4球連続ファウルで粘り、1球ボールを挟んでカウント2―2からの9球目、スライダーを再び引っ張り込んで好機を拡大させて反撃の3点を呼び「（調子自体は）いいと思います」とうなずいた。

　日本シリーズで「8番打者」による1試合3安打以上は阪神では初めて。ファイナルSの広島戦でも第2戦のサヨナラ打を含む打率.500（10打数5安打）の活躍でMVPを獲得したCSに続き、“ミスター・オクトーバー”として今シリーズも打率.455（11打数5安打）が光る。「たくさん応援してくださっている。その期待に応えられるように頑張ります」。11月に入っても「恐怖の8番」が勢いを止めることはない。（石崎　祥平）