関本賢太郎氏 四球でも構わない、平野佳の開き直りが勝利につながった

[ 2023年11月1日 00:17 ]

SMBC日本シリーズ2023第3戦   オリックス5ー4阪神 ( 2023年10月31日    甲子園 )

<神・オ>勝利しほえる平野佳(撮影・光山 貴大)
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 【関本賢太郎 視点】日本シリーズにふさわしい、最後の一瞬まで目を離せない試合になった。1点差でオリックスが逃げ切り。フルカウントからの1球が明暗を分けた。

 1点差の9回2死一、二塁で大山と平野佳のマッチアップ。阪神はフォークをしっかり見切って、原口と森下が四球で出塁し、4番の一打にすべてをかけた。だが、フルカウントからのボールになるフォークに大山のバットは空を切った。経験もあり、さすがに甘いところには投げてこない。ボールになるフォークに手を出してこなければ、四球でも構わないという平野佳の開き直りが勝利につながった。

 逆に阪神・伊藤将は1点リードを奪われた5回2死一、二塁で宗に対して、フルカウントからの1球が悔いの残る勝負になった。走者はスタートを切る、そして3番・森に打席は回したくないという中、ポイントだったのは7球目。外角いっぱいの131キロが外れたことで、最後は力勝負にいかざるを得なかった。右中間の二塁打で余分な2点につながった。全体的に球が高かったことも、この場面では響いた。

 ともに接戦に強いチームの対決。相手の嫌がる点の取り方、勝ち方は心得ている。となるとミスや四球が分岐点となる。5回の守りでも、1死一塁からの東のバントを、伊藤将が二塁に悪送球したことが、大きく響いた。二塁アウトにできるタイミングだったが、まさかのワンバウンド送球。ミスで1人をアウトにできなかったことが宗の適時打につながり、阪神の1点差敗戦という結果になった。

 第4戦で才木にかかる重圧は計り知れない。何とか早めの援護で、試合の主導権を握りたい。攻撃では森下にチャンスが回る流れになっている。7回のように1本出れば、状況は動く。オリックスの勝ちパターンの継投をしっかり見たこともプラスにしてほしい。

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