関西シリーズ【男たちのプライド】85年日本一戦士渡真利克則さん、“神整備”で虎サポート

[ 2023年11月1日 05:15 ]

SMBC日本シリーズ2023第3戦   阪神4ー5オリックス ( 2023年10月31日    甲子園 )

甲子園のグラウンドを整備する渡真利克則さん(撮影・大森 寛明)
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 38年前の日本一戦士はグラウンド整備のトンボを手に日本シリーズの舞台・甲子園を整えていた。渡真利克則さん(61)は阪神園芸のグラウンドキーパー。ファンが“神整備”と呼ぶ仕事を支える。

 「また甲子園に日本シリーズが戻ってきた。後輩たちには頑張ってほしいですね」

 今回同様に虎党が熱狂した85年、リーグ優勝を決めた10月16日の神宮球場ではバースに代わり一塁に入り、抑えの中西からの送球を捕ってウイニングボールを手にした。「あの場面は野球人生の宝。マネジャーから最後のボールはしっかり確保するように指示されていたので必死でした」。西武との日本シリーズでも第4戦に9回代打で登場し、二ゴロの記録が残る。

 90年オフにダイエーにトレードされ、92年に現役を引退。第二の人生に審判員の道を選び、13年間プロ野球の最前線にいた。常にプレッシャーにさらされ、球審を務めた06年4月21日、東京ドームでの巨人―阪神戦でアクシデントが起きた。試合中に意識を失い、捕手・矢野に覆いかぶさるように倒れた。検査で異常はなかったが、これが最後の担当試合になった。

 「それでも自分は現場が好き、グラウンドに関わりたかった」と10年から阪神園芸に再就職した。気持ちはオープン戦でも日本シリーズでも変わらない。甲子園が日本一の球場であるために全力を注ぐ。それだけだ。(鈴木 光)

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