“熱男”松田という男 ムネリンからムードメーカー後継指名受け開花、18年間に心から拍手

[ 2023年9月29日 05:30 ]

松田宣浩現役引退

ソフトバンクで同僚だった川崎(右)と松田
Photo By スポニチ

 松田には「熱男」になる前があった。ソフトバンクに入団してすぐは、どちらかといえばおとなしい印象だ。10年には三塁手の新外国人選手が加わり、左翼の守備に回った。ある試合で判断が遅れ、打球に頭上を越された試合後「もう少し、下がっていた方が良かったですかね…」。野球素人の担当記者にも相談してきた。意気消沈し、自信なさげな表情は今でも覚えている。

 転機は11年のオフだった。チームメートだった川崎宗則(BC栃木)が、メジャー挑戦を決断。個別に呼び出され、ムードメーカーの後継指名を受ける。人の才能は突然、開花するものだ。ベンチの声は野球中継に割り込み、15年に球団スローガン「熱男」ができた後はご覧の通りだ。

 その後も相変わらず、相談はあった。ただ内容は違う。「このフォーム見てください。バットの出方がいいんです」。表情には自信があり、それを裏付ける作業に変わった。

 「このポジションで花を咲かせたい。そう思えるのがサード」。常々語っていた夢は成し遂げたと思う。悩み、苦しみ、成長し、成功した18年間に心から拍手を送りたい。(04~17年ダイエー、ソフトバンク担当・福浦 健太郎)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年9月29日のニュース