【甲子園】吉田孝司氏　広陵・真鍋は「硬さ」なければスタンドまで運べた…選抜のときの柔らかさ消えていた

第105回全国高校野球選手権記念大会第6日2回戦   広陵8―3立正大淞南 （ 2023年8月11日    甲子園 ）

＜広陵・立正大淞南＞6回、走者一掃の3点適時二塁打を放つ広陵・真鍋（撮影・成瀬　徹）
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　【吉田孝司の目】選抜のときの柔らかさが消えていた。それがこの夏の広陵・真鍋の印象だ。春の方がバットがスムーズに出て、ヘッドがよく走っていた。4打数2安打1四球3打点。結果は上々でも、内容的には本人も満足してないんじゃないかな。

　高々と上がった6回の左中間二塁打。5回の中飛もそうだが、本来の打撃ならスタンドまで運べたはず。原因は「硬さ」にあると思う。力が入りすぎているのか、構えたときから手首が硬く、バットがスムーズに出てこないからヘッドも思うように走らない。初回の左前打も詰まりながら運んだ打球。全ての打席を通じてインパクトの瞬間にもう一つ押し込めてなかった。

　私の現役時代に「硬さ」を感じさせたのが中畑清。何より体が硬かったのだが、彼はうまくグリップを使って下半身としっかり連動させて打っていた。右打者と左打者の違いはあるが、真鍋も下半身との連動ができればヘッドはもっと走るようになる。おそらく中井監督もその点は分かっていて本人と話して修正してくるだろう。センスも、打席での雰囲気も持っている。次戦以降の打席を楽しみにしたい。（元DeNAスカウト部長）