ソフトB・王会長動いた「君たちの代わりはいないんだ。自分が主役のつもりで」6連敗後選手に闘魂注入

[ 2023年7月15日 06:00 ]

練習を見つめる王球団会長(撮影・中村 達也)
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 パ・リーグ3位のソフトバンクは14日、15日からのオリックス3連戦に備え、ペイペイドームで全体練習を行った。チームは今季ワーストの6連敗中。逆転負けした前日13日の西武戦後には王貞治球団会長(83)がミーティングで選手に活を入れていたことが分かった。トップに立つオリックスとは2・5ゲーム差。可能性を残している首位ターンへ向け、チーム一丸となって大事な3連戦に挑む。

 2年ぶりの6連敗を喫した前夜、王会長が動いていた。一塁側ベンチ裏にある選手サロンで異例のミーティングを実施。チームの緊急事態にいても立ってもいられず「君たちの代わりはいないんだ。自分が主役のつもりでやってほしい」と選手を鼓舞した。

 王会長はこの日、ペイペイドームで行われた全体練習でも目を光らせた。首位・オリックスとのオールスター前最後の3連戦へ向けて「行こうぜ!!」と選手たちに声を掛け士気を高めた。「背中を丸めていてもしょうがないからね」ともっと明るく元気を出すように求め、「スーパーヒーローが出てきてほしいよね」と流れを変える救世主の登場を期待した。

 藤本監督は「負けたら暗くなるのは当然だけど切り替えていかないと」と話した。オリックスとは2・5ゲーム差。2位・ロッテの勝敗次第ではあるが、首位ターンの可能性はまだ残されている。打てる手は打って、大事な3連戦に臨む。

 この日から中継ぎ左腕・嘉弥真を1軍に合流させた。13日の西武戦では、甲斐野、津森ら若手の救援陣が崩れた。主に8回を任せてきたモイネロが左肘関節炎で離脱した影響は大きく、経験豊富なサウスポーを加えてブルペンを強化する。2軍で球威が回復したという嘉弥真は「中継ぎ陣も疲れていると思うので少しでも手助けになれば」と意気込んだ。

 また、この3連戦は有原、東浜、スチュワートの先発ローテーションを組み、石川をブルペン待機させる。斎藤学投手コーチは「明日からはいつでも行けるように準備してくれと(石川に)言ってある」と説明した。日本シリーズなど短期決戦で「第2先発」の実績がある石川を救援に回す総力戦で挑む。

 王会長は「特別なことはできない。自分ができることをやるしかない」と話し、それぞれが自分の持ち場で力を発揮することも求めた。その鋭い眼光は必ず道は開けるという確信で満ちていた。(森 寛一)

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