球団熊本初完封!うれしさ「いつもより大きい」ソフトB大関1安打投球 サヨナラ呼ぶ125球

[ 2023年5月10日 05:50 ]

パ・リーグ   ソフトバンク1ー0日本ハム ( 2023年5月9日    熊本 )

<ソ・日>熊本のファンの前で喜ぶ大関(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクの大関友久投手(25)は9日の日本ハム戦(リブワーク藤崎台)に先発し、9回1安打無失点でプロ初の2桁となる13奪三振と圧巻の投球を披露し、今季初完封。開幕投手を務めた3月31日のロッテ戦(ペイペイドーム)以来待望の2勝目を手にした。熊本開催では球団初の完封となった。0―0の9回に周東佑京内野手(27)の足を起点に決勝点が入り、今季3度目のサヨナラ劇。4年ぶりの熊本開催の連勝も4に伸びた。

 普段は淡々とクールに投げ終える大関が、125球目に珍しく感情をむき出しにした。0―0の9回2死。4回1死で唯一の安打を許したアルカンタラをフォークで空振り三振に斬ると短めのガッツポーズをかました。

 「自然と(ポーズが)出ましたね。過去の投球の中で、一番いい。成長できているうれしさがあります。何よりも勝ったのがうれしい。うれしい思いがいつもよりも大きい」

 開幕投手を務めた3月31日のロッテ戦以来の2勝目を9回1安打完封で飾った。チーム完封一番乗りで、自己最多の「7」を大きく上回る13奪三振。「直球が手元で強くいけて調子が良かったし、ゾーンで勝負ができた」と笑みがこぼれる。

 三塁すら踏ませず、唯一のピンチらしいピンチは8回2死二塁。上川畑に内角直球を捉えられ、打球は右足直撃。跳ね返ったボールは三塁手・栗原の正面に転がって一塁へ転送された。心配されたが、実は右スパイクに当たってのナイスキック。運をも味方した。

 2日のオリックス戦(ペイペイドーム)は7回1失点で敗れるなど、防御率1点台の苦悩が続いた。わざと丸一日、野球を完全に忘れる時間をつくったこともある。ロッテ戦が降雨中止の7日は、千葉でのチーム練習後も自身のメニューを完全にこなし、向かった羽田空港で搭乗予定の航空機が欠航。便を早めたチームメートとは別に延泊する不運も味わったが、この夜、9回裏のドラマを目の当たりにして「本当に感動しました」としばし、感極まったという。

 「120球はいけます。いきたいです」と志願し、125球を投げた左腕に対し「最高の投球です」と藤本監督も興奮気味に福岡へ戻るバスへと乗り込んだ。これで4年ぶりの熊本開催4連勝。3カードぶりに初戦を取った。開幕から一気の5連勝を飾ったように、開幕投手の大関が一進一退を続けるチームに勢いをもたらした。(井上 満夫)

 ○…大関(ソ)が被安打1で13奪三振の1―0完封。チームで13奪三振以上の1安打完封は、20年8月1日西武戦の石川(13奪三振、スコア4―0)以来2人目。また、13奪三振以上の被安打1の1―0完封勝ちとなると、16年9月28日に大谷(日=15奪三振)がV決定試合の西武戦で達成して以来史上2人目だ。

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