西武ドラ6・児玉 初安打が決勝打!獅子の牛若丸だ 1メートル66のルーキーが源田の穴埋め

[ 2023年4月5日 05:30 ]

パ・リーグ   西武4-0楽天 ( 2023年4月4日    楽天モバイル )

<楽・西>5回、適時二塁打を放つ児玉(撮影・白鳥 佳樹)
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 二塁ベース上で小さな体を大きく使い、両手を伸ばしてガッツポーズした。西武のドラフト6位・児玉が、プロ6打席目でプロ初安打となる先制の適時二塁打。これが決勝打となり、身長1メートル66のルーキーが大仕事を果たした。

 「まず一本出たことが率直にうれしい。とにかく、次に良い形でつなごうと思っていたことが最高の結果になった」

 5回1死二塁。則本の高めに浮いたスライダーを振り切り、打球は左翼の頭上を超えた。同学年の先発・今井を援護する一打。記念のボールは「熊本の実家に贈りたい」と初々しい笑顔を見せた。

 球界では同僚・滝沢の1メートル64に次ぎ、2番目の低身長。そんな児玉のグラブには「牛若丸」と刺しゅうされている。「小さくても大きな敵に立ち向かう選手になりたい」。憧れているのは元阪神の吉田義男氏だ。身長は児玉より1センチ高い1メートル67。通算1864安打を記録し、遊撃手として華麗な守備でファンを魅了する姿から「牛若丸」と呼ばれた。「プロでも身長は関係ないことを証明したい」と偉大な背中を追っている。

 ゴールデングラブ賞4回で獅子のショートストップを守り続けてきた松井監督は「守備はもちろん、試合の状況把握もできる。小技もできて、チャンスでも打てる。良い姿でやってくれている」と目を細めた。

 開幕戦の先発遊撃は高卒3年目の山村に譲ったが、2日オリックス戦から2試合連続で先発。右手小指骨折で離脱している源田の代役を担う獅子の牛若丸は「一番は山村と切磋琢磨(せっさたくま)してやっていきたいし、源田さんがいないとダメだと言われないように」と責任感十分だ。(福井 亮太)

 ◇児玉 亮涼(こだま・りょうすけ)1998年(平10)7月10日生まれ、熊本県出身の24歳。山北小1年時に玉東少年野球クラブで野球を始め、玉東中時代は熊本北部シニアに所属。文徳で甲子園出場はなく、九産大では2、3年時に大学日本代表に選出された。大阪ガスでは21年の日本選手権で優秀選手。1メートル66、65キロ。右投げ右打ち。

 ▽吉田 義男 53年に立命大を中退し阪神入り。1年目から正遊撃手で、八艘(はっそう)飛びを思わせる軽快な身のこなしで「牛若丸」と呼ばれた。54、56年に盗塁王、ベストナインは遊撃手では歴代最多の9度。69年現役引退。通算2007試合1864安打、66本塁打、434打点、打率.267、350盗塁。阪神監督を3度務め、85年に球団唯一の日本一となった。

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