ソフトB 近藤移籍1号「完璧に捉えられた」 父の通夜参列で離脱の藤本監督に届ける開幕4連勝

[ 2023年4月5日 07:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク6―1オリックス ( 2023年4月4日    京セラD )

<オ・ソ>6回、近藤は移籍1号となる2ランを放つ(撮影・奥 調)
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 藤本監督に届ける開幕4連勝だ。ソフトバンクは4日、近藤健介外野手(29)が0―0の6回、移籍後1号となる決勝2ランを放てば、先発の石川柊太投手(31)が7回無失点で今季初勝利を挙げるなどオリックスに快勝。藤本博史監督(59)が3日に死去した父・嘉憲(よしのり)さん(享年84)の通夜参列のため離脱し、森浩之ヘッドコーチ(58)が監督代行を務めた一戦を飾った。

 世界一に貢献したアベレージヒッターは失投を逃さない。6回1死二塁、近藤が3打席目で初めて甘く入ってきた球を確実に仕留めた。1ボールから真ん中付近のカットボールを強振し、右中間スタンドに突き刺す先制2ラン。「完璧に捉えられた」という移籍初アーチで5回まで1安打に抑えられていた田嶋を攻略した。

 初回、3回と2打席連続で空振り三振に倒れていた。直球主体の配球をコーナーに決められ、完璧に封じられていた。「田嶋が本当に良かったので何とか甘い球を1球で仕留められて良かった」。悪いイメージを引きずらないのが、侍ジャパンが世界一に輝いたWBCで打率・346と活躍した巧打者たるゆえん。「外の真っすぐが決まっていて、どうしても追いかけるところがあったけど切り替えられた」。外角直球の残像を消し、真ん中付近のカットボールを一振りで仕留めた。

 守備でも勝利にこだわる姿勢を見せた。6回に先頭・西野の左翼フェンス際への飛球をジャンプして捕球しようとしたが、体勢を崩してグラウンドで頭を強打した。一時は担架も用意されたが、プレーを続行。7回の守備から退き、ベンチ裏で安静にした。大事を取っての措置で、試合後にはきょう5日の試合出場に意欲を示した。

 ベンチに居なかった藤本監督に白星を届けた。父・嘉憲さんが3日に大阪府内で急性呼吸不全のために死去し、通夜に参列したために欠場した。監督代行を務めた森ヘッドコーチは「監督に報告して“ありがとう”という言葉をいただいた」と話し、決勝弾となった近藤の一発には「期待に応えてくれた一打は見事と言うしかない」と感謝した。

 チームは昨季143試合目でリーグ優勝を譲ったオリックスとの今季初戦に快勝、3年連続となる開幕4連勝。移籍1号で貢献した近藤は「1号というより緊迫した場面での先制だったので、そこが一番良かった」と話した。4試合中、3試合の先制したイニングで安打を放っている近藤の存在は際立っている。(森 寛一)

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2023年4月5日のニュース