【亀山つとむ氏の阪神・宜野座キャンプ採点】最大の収穫はプレーに対する選手の意識向上

亀山つとむ氏

　連係を中心に、一つ一つのプレーに対する選手の意識が非常に高くなった。これがキャンプの最大の収穫だと思う。序盤に実戦を入れずに、チームプレーの反復練習を徹底した。その効果が実戦にも表れている。

　勝ちにこだわるタイプの岡田監督は、戦う集団をつくるために、まず土台を整備した。細かいプレーのチェックを繰り返した。過去の強いチームのキャンプはこうだったんだな、と感じさせる内容だった。沖縄での実戦ではフリーに打たせた攻撃面で、この意識の高さがどれだけ反映されていくか。バント、進塁打などいかに1点を取る野球を仕込まれているかを、これから見てみたい。

　開幕に向けた選手たちの競争も様変わりするはずだ。これまでの経験を積ませて伸びるのを待つスタイルではなく、岡田監督はいいものを使うと明確にしている。遊撃では木浪がリード、右翼は森下が大きく前進し、左翼は板山、井上と大激戦になっている。

　外国人にも例外はない。特に投手は戦力になるかどうかの判断材料すら不足している。既に先を見据えて、外国人に頼らない打線、ローテにシフトしているが、使えない選手はチームにとってマイナスにしかならない。「アレ」実現のためにも外国人を含め総合力を高めるプランは欠かせない。（本紙評論家）