エンゼルス・大谷 OP戦初戦初打席で初球打ち三塁打 WBCでも生きる“早め”の打撃

[ 2023年2月28日 02:30 ]

オープン戦   エンゼルス7-0ホワイトソックス ( 2023年2月26日    テンピ )

<エンゼルス・ホワイトソックス> 初回、三塁打を放つ大谷(撮影・光山 貴大)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)は26日(日本時間27日)、本拠地オープン戦初戦のホワイトソックス戦に「3番・DH」で初出場し、初回の1打席目にいきなり右中間フェンス直撃の三塁打を放った。残る2打席は凡退も3打席全て初球スイングを敢行。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向け、国際大会では不可欠な好球必打で侍打線をけん引する。

 フルスイングの準備はできていた。初回2死。初球だった。大谷が左腕バンクスの高めに抜けたスライダーにバットを一閃(いっせん)。高々と舞った打球はバックスクリーン右横のフェンスを直撃し、悠々と三塁に到達。4番レンドンの右前打で先制ホームを踏んだ。

 「ストライクだなと思ったので、いった。たまたま初球というか、早いカウントで打てそうな球がきたので振ったという感じ」

 2回はマイナー右腕の初球を叩き遊ゴロ。3回も別のマイナー右腕の初球を空振りし、3球目を打ち損じて二ゴロに倒れたが、いずれも初球をスイングした。今季から投球間の時間制限(ピッチクロック=走者なしで15秒、ありで20秒以内)が適用され、打者も残り8秒までに打つ準備を整えなければ1ストライクが宣告される。「頭の回転を速くして、早めに切り替えてやらないといけない。考え方の部分で立ち遅れないように」と語った心構えが如実に表れた。

 WBCでは好球必打が鉄則。国際大会は大半が初見の投手との初対戦となり、追い込まれて決め球を投げられる前に、カウント球から打って出る必要がある。メジャー5年間の初球打ちの打率は・374と好成績で、96安打、28本塁打、66打点はいずれもカウント別では最多を誇る。この日は全て初対戦の投手に対して、初球スイングができたことにも価値があった。フィル・ネビン監督も「(大谷は)アグレッシブに攻めることをテーマにしていた。3打席とも甘い球を逃さない姿勢がうかがえた。三塁打は本気で走っていればランニング本塁打だった」と評価した。

 27日(日本時間28日)のジャイアンツ戦もDHで出場予定。28日(同3月1日)のアスレチックス戦登板後にキャンプ地を離れ、日本代表合流のためにチャーター機で帰国する。試合前とクラブハウスに引き揚げる前の2度行った即席サイン会では、大勢のファンが殺到した人気ぶりはメジャーの顔、WBCの顔にふさわしい。3大会14年ぶりの世界一奪還へ、好球必打の頼れる柱がもう間もなく日本に帰ってくる。(テンピ・柳原 直之)

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