「我慢し、腹をくくる」 広島・新井監督が描く投手起用法 球数管理、積極継投などプラン続々

[ 2022年10月23日 08:00 ]

広島・新井監督
Photo By スポニチ

 広島・新井貴浩監督(45)は、さっそく機動力野球の復活を打ち出すなど、チーム再建の道筋を明確に思い描いている。それは攻撃面だけではなく、投手起用についても同じだ。

 先発投手には球数制限を設けられないかと考えている。「球数一つにしても中長期的なマネジメントが必要だと思う」。広島に限らず、今季は前半戦でフル回転した先発投手の疲弊が目立った。最多勝を挙げた阪神・青柳は、自身最後の登板で白星を挙げるまで7試合連続未勝利。リーグトップの178回2/3を投じた広島・森下は、6戦未勝利で今季を終えた。

 新井監督は、大瀬良を例の一つに挙げて説明する。「(大瀬良)大地に関して言うと、球数をたくさん放らせて、疲れを残したまま(次戦を)迎えさせたくない思いもある」。大瀬良は、球数が120球を超えた試合が今季8試合目を終えた時点で半数の4度を数えていた。疲労からか、その後に調子を落として2度の2軍再調整を経験するなど、開幕直後の安定感を維持できなかった。

 大瀬良は、5月21日の中日戦で一時9点差までリードが広がりながら8回まで続投。次戦に向けて体力の温存も選択肢だった中で121球を投げた。指揮官は「時と場合によるけど、ロースコアで調子がいいとしても、球数が5、6回で増えていたら、そこは腹をくくって代えていかないといけない」と覚悟が決まっている。

 先発投手の球数制限には救援陣の支えが欠かせない。今季の救援防御率3・32はリーグ5位。救援再整備は、失敗の先にあると見ている。

 「しばらくは我慢しないといけないと思う。1―0で“この投手行くの?”ということもあると思う。行く投手は腹をくくって、それで逆転されたとしても、実戦の中でいいことも悪いことも経験しないと成長しない。自分も腹をくくって、しっかり我慢して来年やらないといけないと思っています」

 広島の強みは、大瀬良、九里、森下、床田らがそろう先発陣の層の厚さだ。それでも、強みを前面に押し出すだけでは1年間通して安定した戦いは望めない。指揮官が就任会見で何度も口にした「バランス」は、投手起用にも現れそうだ。(記者コラム・河合 洋介)

続きを表示

2022年10月23日のニュース