西武・森 今季初3安打&猛打賞「優勝を狙える位置にいる」 5連勝で首位ソフト猛追2・5差

[ 2022年6月30日 05:30 ]

パ・リーグ   西武6-2日本ハム ( 2022年6月29日    ベルーナD )

<西・日>6回、三塁打を放つ森(撮影・尾崎 有希)
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 ベンチの西武ナインからは「ホームラン狙え!」の声が飛んでいた。一方、打席の森は「今、それどころじゃない」と考えていた。

 8回だ。本塁打が出れば人生初のサイクル安打だったが一発狙いで打撃フォームを崩すのは避けたかった。初回に先制の2点左前打でリズムに乗り、3回は右中間に適時二塁打を放って6回は右翼線に三塁打。「サイクルよりも、しっかり自分のフォームでヒット一本打つことが大事」。そして四球を選んだ。

 復帰時は不安の方が大きかった。大敗した4月2日のロッテ戦で悔しさから捕手のマスクを投げつけた際に右手人さし指を骨折した。正捕手として恥ずべき故障。約2カ月の離脱中は12球団リーグトップの防御率を誇る投手陣が好調で、好リードする捕手陣を見て「もう一度、正捕手に戻る」と覚悟を決めた。

 辻監督は離脱時、森に野球観を変えるよう求めた。17年の就任時から一度も外野を守らせようと思ったことはない。捕手は心身で負担が大きいが、森は守備で体を動かした方が打撃がいいと考えるからだ。復帰時は「親心じゃないけど、監督なんか見ていればいい」と特に言葉をかけず。気持ちを入れ直してプレーする姿は認めており「今までの森友哉じゃない」と評価する。

 4歳上の山川は優しく迎えてくれた。車の中で飲食してゴミを置きっぱなしにするほど気を使わない仲。この日、森は3番で「次が山川さん。自分で勝負するだろう」と腹をくくり、今季初の3安打で3打点を挙げた。

 チームは今季初の5連勝で最大8・5ゲームあった首位とのゲーム差は2・5。森も「優勝を狙える位置にいる」と言う。19年には首位打者にも輝いた男が、「蒸し風呂」のような本拠の気温とともに状態を上げてきた。(神田 佑)

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