担当記者イチオシ!楽天の“爽やか&パワー系”サウスポー・鈴木翔天がブレークの予感

[ 2022年5月30日 07:45 ]

楽天・鈴木翔天
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 いきなりだが、楽天の鈴木翔天(そら)投手(25)というサウスポーの名前を覚えておいてほしい。ブレークの予感を漂わせており、一気に主力選手の仲間入りを果たす可能性を秘める注目株だ。

 富士大から18年ドラフト8位で入団し、今季で4年目。今月18日に1軍に今季初昇格したばかりだが、ここまで中継ぎで5試合に登板して0勝0敗、1ホールド、防御率1・80の成績を残している。20日のオリックス戦(楽天生命パーク)で1イニングを1安打無失点に抑えると、25日の阪神戦(甲子園)まで4試合連続で無失点投球を披露。28日のヤクルト戦(楽天生命パーク)で初失点を喫したものの、日に日に存在感が増している。

 特筆すべきは左腕ではトップクラスの球速と奪三振能力だ。爽やかなルックスとは相反して、直球は常時150キロ前後を計測。登板ごとに球の威力はアップしており、28日には153キロを計測した。さらにスライダーのキレも抜群で、速球と変化球のコンビネーションで打者をねじ伏せる“王道”の投球スタイルを身上としている。シンプルに速い球を投げることで観客をワクワクさせることができる選手だ。

 球界において「パワー系」のサウスポーは希少価値が高い。似たタイプを挙げるならば、チームメートで1学年先輩の松井裕樹。球界を代表する守護神に「ストレートは(鈴木)翔天選手に負けないように投げている」と意識させるほど、球の質は際立っている。

 2月のキャンプから先発として開幕ローテーションの座を争っていたが、3月上旬のオープン戦で左脇腹を痛めて離脱を強いられた。復帰後はイースタン・リーグで6試合に登板して3勝1敗、防御率2・03、40奪三振とアピールし、1軍昇格後は石井監督から「凄く良い球を投げている」と高く評価されている。

 先発、中継ぎとも左腕が潤沢といえるチーム事情ではない。今後は先発に再挑戦することもあるかもしれないが、どのポジションにも割って入る余地はある。チャンスはいつどこで誰に訪れるか分からない。ただ、間違いなく鈴木翔にとってこれまでのキャリアで最大のチャンスが巡ってきている。「先物買い」するなら今だ。(記者コラム・重光 晋太郎)

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2022年5月30日のニュース