日本ハム・根本 地元でプロ初勝利!5回5安打2失点の力投

[ 2022年5月30日 06:00 ]

交流戦   日本ハム7―2巨人 ( 2022年5月29日    札幌D )

<日・巨>お立ち台でウイニングボールを手に笑顔を見せる根本(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハム・根本悠楓投手(19)が地元でプロ初勝利を挙げた。29日の巨人戦で先発して5回5安打2失点。4回には元主砲の中田から142キロ直球で見逃し三振を奪うなど、強力打線を相手に粘り強く投げ抜いた。北海道白老町出身の高卒2年目左腕が両親も駆けつけた札幌ドーム初登板で、プロとしての第一歩を力強く踏み出した。

 ヒーローインタビューで根本の名前がコールされると、球場中が温かい拍手に包まれた。初めてのお立ち台に上がると、まだあどけなさが残る笑みを浮かべた。

 「北海道で初勝利を挙げられたことで、凄いうれしくて…。こんなにたくさんのファンの方に見ていただけて、うれしいです」

 慣れないお立ち台での姿とは対照的に、マウンドの投げっぷりは堂々たるものだった。1点の援護をもらった直後の2回、先頭の岡本和に同点ソロを被弾するも「諦めず自分の球を投げようと思った」。4回は先頭の岡本和を遊ゴロに仕留め、続くポランコは空振り三振。最後は中田を見逃し三振に斬り、その裏の4得点を呼び込んだ。

 勝利投手の権利が懸かった5回、1死二、三塁で丸を四球で歩かせても新庄監督は動かない。続くウォーカーに左犠飛で1点を許すも、吉川は三ゴロに仕留めた。10代投手が巨人戦でプロ初勝利を挙げたのはパ・リーグでは初。新庄監督から「おめでとう」と声を掛けられ「巨人から初勝利できたのは自信になる。2年目の後半に初勝利を挙げられればと思っていた」と笑った。

 20年5月、新型コロナウイルス感染拡大の影響で夏の甲子園の中止が決定した。高校球児にとって最大の目標が消滅。苫小牧中央のチームメートが落胆する中、根本は中止決定の翌日から一人グラウンドでランニングしていた。「自分でコントロールできないことを気にしてもしょうがないので」。今できる最善を尽くす姿勢が、同年ドラフト5位でプロ入りしてからの成長を促してきた。

 家族が球場で観戦。白老町でテレビ観戦する祖父母にも勝利を届けた。ウイニングボールは「じいちゃん、おばあちゃんに渡したいです」と話し「“ねもっちゃん”と呼んでください。将来的にはしっかり勝てる投手になりたい」と力強く宣言した。(清藤 駿太)

 ◇根本 悠楓(ねもと・はるか)2003年(平15)3月31日生まれ、北海道白老町出身の19歳。白老白翔中3年の全国中学軟式野球大会決勝で完全試合を達成し優勝。苫小牧中央では1年夏からベンチ入りし3年夏に南北海道大会8強、20年ドラフト5位で日本ハム入り。昨季は2軍で先発、リリーフを経験し12試合で1勝1敗0セーブ、防御率1・82。1メートル73、77キロ。左投げ左打ち。

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