阪神・秋山 “傷だらけ”で手にした今季初白星 こん身66球「粘れて良かった。それしかない」

[ 2022年4月29日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-2中日 ( 2022年4月28日    甲子園 )

<神・中>リリーフカーに乗ってファンにあいさつする秋山(撮影・大森 寛明)
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 “良くないサイン”は何度も出ていた。投球前のマウンド後方でのジャンプ、本来のワインドアップではなくセットポジション…。阪神・秋山が本調子でない時に行うしぐさだ。

 「粘れて良かった。それしかない」

 2回に石川昂に先制2ランを被弾したものの、追加点は与えなかった。万全とは言えない中での、5回5安打2失点の力投。大きな不安を抱えながらの66球だった。

 暗雲が垂れ込めたのは、もう2カ月前だ。春季キャンプ中、18年に手術した右膝に痛みが走った。「痛いし、膝は上がらないし、伸びないし、(土を)蹴られないし…。キャンプを思うように過ごせなかった」。先発ローテーションは確約された立場も、苦しい日々を過ごしてきた。「沖縄から帰っても、この痛みが続くなら(検査など)相談しないといけなかったぐらい」

 3月に入ってようやく改善の兆しが見え、2月にはできなかった走り込みの量を増やし始めた。「開幕1カ月、なんとかしのいで、暖かくなるにつれてよくなればなと」。そうプランを立てたものの、開幕から2戦連続で結果を残せず10日に2軍降格。ファームでは1カ月後の復帰を視野に実戦から離れ、コンディショニングを優先に調整。そんな中、小川の抹消で巡ってきた緊急昇格の機会。首脳陣の「いけるか」の問いに気づけば「いけます」と答えていた。

 「自分が投げるって決めたんで。弱気にならないように」。9日の広島戦から中18日の“ぶっつけ本番”には多くの不安要素が介在したが、最後まで負けなかった。EXILE・ATSUSHIから提供された登場曲「Put it on the line」を背に今季初勝利。お立ち台では「連絡入れておきます」と笑った。

 「前よりは良くなってきている。もっと突き詰めて、僕らしいピッチングができたら」。“傷だらけ”で手にした1勝が、逆襲の合図になる。(遠藤 礼)

 《ATSUSHIの曲味方に》阪神・秋山が今季登場曲に使用しているEXILE・ATSUSHIの新曲「Put it on the line」のミュージックビデオが、EXILEの公式YouTubeチャンネルで初公開された。秋山と親交が深いATSUSHIが、昨季に秋山の2年連続2桁勝利で登場曲を作成すると公約。その公約を果たして実現した。ミュージックビデオには秋山本人も登場。心強いバックミュージックを力に、今季初勝利をつかみ取った。

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2022年4月29日のニュース