JR四国がトヨタ自動車破り8強 元西武・南川が因縁の京セラドームで3安打完封

[ 2021年7月11日 17:41 ]

第46回社会人野球日本選手権 2回戦   JR四国1―0トヨタ自動車 ( 2021年7月11日    京セラD )

<JR四国・トヨタ自動車>最後の打者・八木を右飛に打ち取り、ガッツポーズするJR四国・南川(撮影・井垣 忠夫)
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 JR四国が大会5度の優勝を誇るトヨタ自動車を破り、1974年の第1回大会以来の8強に駒を進めた。元西武で復帰2年目の南川忠亮投手(29)が3安打完封勝利を飾った。

 最後の打者を打ち取ると、南川は左手のグラブを突き上げた。

 「最後まで完封できると思わなかった。フォークでストライクが入ったので有効に投げられた」

 因縁のマウンドで躍動した。2019年5月19日、プロ最後の登板が京セラドームだった。3連続四球で1死も取れずに降板した苦い記憶からか、4回まではいずれも簡単に2死を取った後に四球を出した。それでも5回以降は無四球と修正し、6回無死一、三塁から高木ちから外野手(27)がスクイズで挙げた1点を守り切った。

 高松工芸高からJR四国に入社し、2015年ドラフト5位で西武入り。プロ通算14試合で未勝利に終わった。4年間で学んだのはコントロールの大切さだ。

 「バッターのレベルがすごくて、僕は対応できなかった。最速が140キロちょっとでも、コントロールが良くて活躍されている方はいる」

 西武退団後に野球を辞めることも考えていたが、佐野晃前監督らの説得で翻意し、古巣へ復帰した。山田啓司監督(49)は「年齢を重ねたこともあるが、バッターを見て冷静に投球できるようになった」と評価する。南川も「今は140キロ台後半が出たら良い方」と話すように、かつての150キロを超える速球はないが、熟練の投球術で内野ゴロの山を築いた。

 プロ入り前は果たせなかった全国大会初勝利に「戻ってきて大正解です」と満面の笑み。ただ、京セラドームへの苦手意識がなくなったか、の問いには首をかしげ「もう1回投げたら…」と苦笑いした。

 《スクイズのサインに「びっくり」》6回に決勝のスクイズ(記録は投手内野安打)を決めた高木は「無死一、三塁で打つと思っていたが、(スクイズのサインに)びっくりした。ミナミさんが投げている時は点が取れないんで、助けたいと思っていた」と振り返った。強豪のトヨタ自動車を破っての8強入りには「正直、勝てると思っていなかったので、混乱しているというか」と感想を口にした。

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