西武・今井 松坂引退発表後初のマウンドで惜別6勝 チームの連敗を5で止めた

[ 2021年7月11日 05:30 ]

パリーグ   西武6ー2楽天 ( 2021年7月10日    楽天生命 )

<楽・西>楽天打線を封じる今井(撮影・白鳥 佳樹) 
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 西武の今井達也投手(23)が10日、楽天を相手に7回4安打1失点に抑え、6勝目を挙げた。「平成の怪物」と呼ばれ、日米通算170勝を挙げた松坂大輔投手(40)の今季限りでの現役引退発表後、初登板したマウンド。夏の甲子園優勝投手として高卒ドラフト1位で西武に入団した系譜を継ぐ5年目右腕は、大先輩にささげる好投でチームの連敗を5で止めた。

 松坂さん、ありがとう―。今季限りでユニホームを脱ぐ「平成の怪物」へ、甲子園V腕の系譜を継ぐ今井が惜別の勝利をささげた。

 「ピッチャーの僕からしても雲の上の存在。日本でも米国でも凄い成績を残された。凄く寂しいです」

 オリックス・山本、楽天・早川、阪神・佐藤輝らと同じ、今をときめく「98年世代」。7日に引退を発表した松坂が甲子園春夏連覇を決勝戦でのノーヒットノーランという快挙で成し遂げ、伝説となった年に生を受けた。

 「昭和の怪物」こと江川卓を生んだ作新学院出身だが、下級生時代はエースと呼ばれる存在ではなかった。2年夏は栃木大会でベンチ入りも3回戦まで進んだ甲子園ではベンチ外。「最後のチャンスに必死になってやった」と3年夏にチームを日本一に導き、松坂と同じくドラフト1位で西武へ入団した。

 この日は5連敗中のチームを救い、7回4安打1失点で6勝目。得点こそ許さなかったが、6、7回にはいずれも2死から連続四球を与えるなど、今季最多の8四死球。「なるべく減らしたいと思っていますけど、あまり気にしていない。結果的にゼロで帰ってくればいい」。そう話す姿は、四球で得点圏に走者を背負っても、同じように150キロ超の直球でねじ伏せる若かりし頃の松坂を思い起こさせた。

 コロナ禍が本格化する前の昨年2月、一緒に食事をする機会に恵まれた。「世間話をしたら面白い人ですし、接しやすかった」。しかし、貴重な時間はあっという間に過ぎ、野球の話はほとんどできなかった。「1回しか食事に行けなかったのが残念。もっといろいろな話を聞きたかった」と苦笑した。

 「レッドソックスのイメージが一番強い。ワインドアップで、とにかく球が速い姿が印象的でした。追いつきたいと言いたいですけど、なかなか軽く追いつけるような方でもない」。レジェンドとの差をこれからの野球人生で埋めていく。(花里 雄太)

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