失踪中の門倉さんについて臨床心理士「生命の危機、リスクは今のところ低い」

[ 2021年5月28日 18:04 ]

中日を退団した門倉健2軍投手コーチ(2020年1月撮影)
Photo By スポニチ

 俳優でタレントの坂上忍(53)がMCを務めるフジテレビ「バイキングMORE」(月~金曜前11・55)が28日放送され、一身上の都合により2軍投手コーチを務めていた中日を突如退団した門倉健さん(47)の失踪について特集した。

 中日は26日、門倉さんから一身上の都合により退団の申し入れがあり、同日付で受理したと発表した。球団によると門倉さんは15日以降に無断で練習を休み、連絡が取れないことから、翌16日に家族が愛知県警に捜索願を提出。その後、退団届が郵送で届き、家族にも本人の直筆と確認した。退団届は15日付で、消印は20日だった。

 現役時代から有名投手だった門倉さんについてヤクルトファンの坂上は「いいピッチャー」とし、広島ファンのお笑いコンビ「アンガールズ」田中卓志(45)も「一流」とした上で「幸せな感じしかしない」と門倉さんのブログや妻の民江さんが公開した家族動画を見た感想を口にして心配そうな表情を浮かべた。

 リモート出演した元警視庁刑事の吉川祐二氏は「家出をする、所在不明になるという人にはいくつかのパターンがある。一つはトラブルを抱えた上で所在不明になるケースがある。それは金銭的な問題であったり人間(関係)的な問題であったり。もう一つが、優しい性格の方ということですが、人というのは二面性を持っている。優しく強く見える人でも実際は弱い人もいますし、弱く見える人の中には強い人もいます」と前置きした上で「考えこんでしまって、平静を装っていても突発的に所在不明になってしまったという状況は何となく見受けられますね」と語った。

 スタジオ出演した臨床心理士で明星大准教授の藤井靖氏は「(失踪は)一般的にお金の問題とか精神疾患が多いんですよね。心理的な部分を色々聞いてみると、日常の充実した生活、客観的にですけどね。家族もそうだし、(動物の)愛護団体(活動)もそうですし、コーチの仕事も含めて充実しているように見えて、それと並行して全く違うことを常に考え続けているという心理状態があると思うんですよね」と分析。「大きな事件がなければ、自分のこれからとか、今後の生き方みたいなことを(年齢的に)考える時期ではある。不適応のリスクはある」と指摘。「特にプレーヤーでやられてきた人が管理業務が多くなって自分のためというよりは人のために時間を使うようになってきた時に迷いを抱える方も中にはいます」と語った。

 また、藤井氏は「失踪されるぐらいですから通常の精神状態ではない可能性が高い」としながらも「ご家族、ご友人は心配で最悪の事態も考えてしまうと思うんですけど、私個人はその可能性は低いかな、と」と指摘。その理由として「何のサインもなくお亡くなりになってしまう方っているんですけど、後から振り返って色々考えてみると、サインがあった方のほうがどっちかというと多い。ご友人もご家族も思い返してもそれがない。あとは時間的な関係。失踪して自分の命を…と考えちゃう人は(失踪から)時間が短い。決めているので。一週間経って手紙を送ったり、(手紙の消印が横浜で)自宅の近くにいる可能性がある。それは戻るべきかと逡巡している可能性もある。持ち物を全部置いていくというのもままあること」とし「生命の危機っていうことで言ったら、リスクは今のところは低いんじゃないかなって想像しています」としていた。

続きを表示

2021年5月28日のニュース