巨人ドラ1平内　開幕ローテ前進　最速150キロで3回1安打無失点「楽しかった」

練習試合   巨人0ー0広島 （ 2021年2月17日    沖縄セルラー ）

＜巨・広＞今季初の対外試合に先発し、3回無失点の好投を見せた力投する平内（撮影・森沢　裕）
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　新人が躍動した！巨人のドラフト1位の平内龍太投手（22＝亜大）は初の対外試合となった広島との練習試合に先発。最速150キロをマークするなど3回1安打無失点で開幕ローテーション入りに前進した。ヤクルトのドラフト5位の並木秀尊外野手（21＝独協大）はこちらも初の対外試合だったDeNA戦で持ち前の俊足ぶりを発揮。開幕1軍に向けてアピールした。

　プロ初の対外試合の相手は同じリーグの広島。平内の視線の先には新外国人で4番のクロンがいた。先発ローテーションに入ればシーズンで何度も対戦する。心に決めた。「力勝負をしてやる」。新人らしからぬ度胸で、堂々と立ち向かった。

　「150キロを出してやろうと思っていた。（対戦が）一発目なので“（広島に）これくらいは投げられるんだよ”と見せてやろうかなというのはあった」

　2回、先頭で19年に38発で3A本塁打王に輝いた大砲への3球目。内角低めの一球はこの日最速の150キロを計測した。結果は四球も、続く大盛の3球目も150キロだ。前日の「直球主体」との予告通り47球中、直球は半分の23球。力で押し、3回無失点に抑えた。

　普段は温暖な沖縄だが、この日の気温は13度。最大風速12メートルの強風も吹き原監督も「寒稽古だ」と言った。悪条件でも体がぶれることなく剛球を投じられたのは趣味の筋力トレーニングの成果。亜大時代はボディービルダー・山本義徳氏を教材にした。「山本先生」とあおぎ、ダルビッシュも指導する同氏のYouTubeを見てトレーニング。ドラフト1位の評価を得るまでに成長した。

　強じんな肉体を生かした直球だけでなく多彩な変化球も持ち味。この日はスプリットが光った。序盤は高めに浮いたが、捕手の小林の「もう少し低くないといい打者だったら持っていかれる」との助言で修正。3回は「ベースに落とすくらいに投げた」と低めに制球し、2三振も奪った。原監督は「初登板であれだけ腕を振れるというのは大きな武器になる」と高く評価した。

　開幕ローテーション入りに前進した平内は「楽しかった。80点です」と笑顔。チーム内でも「筋肉キャラ」が定着しつつある右腕は「試合後に大胸筋のウエートも待っていたので楽しみに投げました」とさっそうとトレーニングルームに向かった。（田中　健人）

　▼広島・玉山健太スコアラー　先発6人に入れる存在。実戦で生きるタイプ。球に力があった。

　▼阪神・嶋田宗彦スコアラー　良いに尽きる。実戦向きでとても怖い存在。

　▼巨人・小林（初バッテリーを組んだ平内について）物おじしない印象だった。直球は強く、力がある。もっと空振りを取れるスプリットになる。