広島ドラ1栗林 巨人に“名刺代わり”の1回無失点 切れ味抜群フォークも披露「自信にできるかな」

[ 2021年2月18日 05:30 ]

練習試合   広島0-0巨人 ※特別ルール ( 2021年2月17日    沖縄セルラー )

<練習試合 巨人・広島>力投する栗林 (撮影・森沢裕)
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 広島のドラフト1位・栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)が17日、巨人との練習試合(沖縄セルラー)で無失点デビューを果たした。6回に3番手として登板し、最速149キロを計測した直球や自慢のフォークを駆使するなどして、球数14球で1イニングをピシャリ。佐々岡監督は「落ち着いて第一歩を踏み出した」と期待を膨らませた。

 強風が吹き荒れ、沖縄とは思えない寒さの中で、即戦力右腕が熱投を演じた。腕を振るたびに、1球に込めた気迫が無観客のスタンドに響く。巨人のスコアボードに「0」を刻み、上々の実戦デビューを果たした栗林は一定の満足感に浸った。

 「相手は巨人。緊張してフワフワし、全く地に足がついていなかったけど、1イニングを投げ切れて良かったです」

 6回に登板。売り出し中の先頭・秋広への初球こそ「力んで」ワンバウンドとなったものの、落ち着いて即座に修正した。3球目の内角高めカーブでボテボテの投ゴロに仕留めると、湯浅への四球を挟んだ後、吉川への投球が圧巻だった。

 この日の最速149キロを計測した内角低め直球がボールとなり、フルカウントから宝刀フォークを真ん中低めに投じた。昨季規定打席に達して打率・274を残した左打者は空振り三振。捕手・磯村の二盗阻止にも助けられ、打者3人に対して球数14球で終えた。

 「収穫は最後のフォーク。自信にできる球なのかな…と。ただ1球前の内角球が決まっていれば打ち取れたかも。しっかり投げ切れるようにならないと」

 トヨタ自動車時代は主に先発で、救援登板はクローザーとして優勝に貢献した19年冬のアジアウインターリーグ(台湾)以来。右腕の役割について「それはまだ。適性を見ながら」と明言を避けた佐々岡監督も、投球には賛辞を惜しまない。

 「緊張からか最初は力みがあったけど、すぐに修正できている。三振が取れるのは魅力。落ち着いて第一歩を踏み出したな…と」

 対外試合初登板でリーグ連覇中のG斬り。栗林は「これから何度も対戦する相手。自信にしたい」としながらも、ボールが先行した投球自体への自己評価は低く、冷静に次戦への課題を掲げる。

 「ストライク先行で抑えるのが一番大事。ゾーンで勝負できるように…と思います」

 開幕に向け、常に足もとを見つめる24歳。春の歩みは順調だ。(江尾 卓也)

 《チームは18イニング0行進 新外国人クロンも2三振》散発4安打で、0―7だった16日ロッテ戦から18回無得点の滑り出し。佐々岡監督は「走者一塁で何とか二塁へ進める打撃を見たいんだけどね。ちゃんと徹底させていきたい」と表情を曇らせた。高卒3年目の林が2回無死一、二塁での遊飛を含む3打席凡退に終わるなど、期待の若手陣が振るわない。4番クロンは2三振と中飛で初戦から6打数無安打。迎打撃コーチは「修正点や感覚を確認しているところ。結果は気にしないでほしい、と伝えている」と新助っ人に関しては心配していなかった。

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