ソフトバンク・工藤監督 「粘っこく」ロッテ戦勝ち越しへ出塁率&四球数UP厳命

[ 2021年2月1日 05:30 ]

キャンプのため宮崎入りした工藤監督(右)と小久保ヘッドコーチ(球団提供)
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 プロ野球は、2月1日、国内で12球団が一斉にキャンプイン。ソフトバンクは31日午後、福岡空港からキャンプ地の宮崎市に移動し、宿舎内で全体ミーティングを開いた。工藤公康監督(57)はオンラインで報道陣に対応。昨季の出塁率と四球数の低さを指摘した上で、キャンプでは選手に「粘り」と「いやらしさ」を追究するように求めた。

 5年連続日本一へ、キャンプのテーマが明確になった。工藤監督は勝利につながる数字の重要性を選手に説いた。中でも具体性を興奮気味に示したのが、チーム出塁率と四球数だった。

 「プロ野球は勝率で優勝が決まる。全ての率でレベルアップを!(選手会長の)中村晃くんの掲げる出塁率もあるし。うちの四球数は特別多くない。ロッテは四球が多い。そこが一つ、勝ち越せなかった(理由)。何とか四球でもいいから粘っこく。追い込まれた後の打撃でも、粘っこく。出塁率は、変わってくると思います」

 レギュラーシーズンで唯一、ロッテに負け越した。それも2年連続だ。ロッテの昨季の四球数は491でリーグ1位。一方でソフトバンクは398と大差をつけられて同5位。18、19年はリーグ最下位だ。

 結果的にリーグ1位だった126本の本塁打や、リーグで唯一2点台にチーム防御率を抑えた投手陣の奮闘もあってパ・リーグを制覇。4年連続日本一にもなった。しかし、一発の破壊力と投手陣に頼ってばかりでは足下をすくわれかねない。

 中村晃選手会長は、契約更改交渉で出塁率に対しての査定アップを球団側に要望した。指揮官も、これには同感だ。昨季のチーム出塁率は・321で4位。16年に出塁率・341、四球数537でともにリーグトップになって以来、鷹の粘りは衰退中だ。

 守りでは、キャンプ直前に“いやらしい”先発候補として助っ人の獲得に成功した。昨季まで日本ハムに在籍したニック・マルティネス。昨季は2度対戦し2勝したが、工藤監督は「相手がいやがる投球テンポで打ち取っていく。小気味良くて。やっていて嫌でした」と振り返る。先発ローテーションに“いやらしさ”が加わる。

 粘り、いやらしさでも日本一になれば死角はなくなる。「まずは個人のレベルアップ。自分との戦いに勝ってシーズンに入っていけたらな」と指揮官。全球団に勝ち越す完全Vを、やり残している。指揮官は“いやらしい完全粘勝”を期待していた。

 ≪歓迎セレモニー&パレードも中止≫コロナ禍の影響で史上初の無観客キャンプ。空港での歓迎セレモニーやパレードも中止となった。工藤監督は「パレードで皆さんに“(日本一)おめでとう”と言ってもらえたことが力になった」と昨年のパレードに感謝。「宮崎県の皆さんにはご苦労があったと思う。深く感謝しないといけない。何とか日本一になって来年はコロナが収束し、パレードができるように結果を出していかないといけない」と恩返しも誓った。

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2021年2月1日のニュース