槙原寛己氏のキャンプ「ここに注目」マー君の修正能力、桑田コーチの指導場面、三浦イズム注入

[ 2021年2月1日 08:30 ]

槙原寛己氏
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 1日にスタートする春季キャンプは宮崎、沖縄とも無観客での開催。ファンは球春到来をテレビやネットでの生中継で感じることになりそうだ。毎年、キャンプ取材に訪れていた元巨人の槙原寛己氏(57=スポニチ本紙評論家)に、「おうち時間」で楽しめる今キャンプならではの見どころを聞いた。

 楽天・田中将はキャンプの早い段階で合流するという。8年ぶりの日本。実戦で打たれるケースもあるだろうが、心配ご無用だ。試すことが山ほどあるし、あくまで開幕前の微調整。逆に彼の修正能力の高さをファンは楽しんでほしい。

 私も出席した1月30日の入団会見で、本人は「アジャスト」という言葉を使っていた。NPBのボールの感触、滑り方…。メジャーで決め球だったツーシームが特に影響が大きいと思う。さらに日本のマウンドに合わせたフォーム、初顔合わせの打者の反応など、チェックポイントは数多い。キャンプ、オープン戦は「詰める」作業。これの繰り返しになる。

 私自身もワクワクする田中将の復帰。同じユニホームを着てプレーする他の選手にも間違いなくいい影響を与えるし、チームの雰囲気もガラッと変わる。それは画面を通じても伝わるに違いない。

 新任の巨人・桑田コーチ。指導者として初のキャンプでは1~3軍まで、まずは「見る」ことに主眼を置くと思う。何に悩んでいるのか、どうして伸びないのか。見て、把握することに努めるだろう。

 指導も押しつけるのではなく、聞かれたことに答えるコーチングスタイルだと思う。それも周囲の目があるところでは、表だってやらない気もする。例えば宿舎で、とか。となれば、テレビ画面越しに熱心に指導している姿が見られればファンにとってはレアだ。

 桑田コーチには引退後、早大の大学院などで長い間をかけて培った抜群の野球理論がある。我々の時代は感覚で伝えようとしていたが、今の若い子は理論がなければ動いてくれない。宮本投手チーフコーチがメンタル面、桑田コーチがメカニック的な指導をするのも有効な手段だ。豊富な引き出しから何を出してくるか、私も注目したい。

 新たな指揮官が誕生すると我々はチームの変化を期待する。DeNA・三浦監督のオリジナリティー。ファンが楽しみにしているのは若い選手をいかに育て上げるかだろう。細川、森に阪口、京山、ドラフト1位・入江…。ブレークさせるのも監督の腕の見せどころ。紅白戦やオープン戦などでどう起用し、力を引き出すか。その「変化」をファンは見届けてほしい。

 私自身は長いイニングを投げ、完投を目指せる投手を育成してほしいと思う。三浦監督自身の現役時代のように、タフな投手を。そのための練習法などでも番長イズムが見られるかもしれない。さらに守護神を外れた山崎をいかに再生させるか。投手出身の監督ならではの手腕に期待だ。

 キャンプイン前日の1月31日は「大みそか」。私自身、東京にいるのは、選手時代から数えて初めてかもしれない。異例のキャンプ。その中でぜひ楽しみを見つけてほしい。

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