DeNA・三浦新監督 育成1位・石川の“リーゼントに触りたい”に条件付き快諾「初勝利したら」

[ 2020年12月3日 05:30 ]

DeNAの三浦大輔監督
Photo By 代表撮影

 DeNAの三浦大輔新監督(46)が2日、自身のトレードマークでもあるリーゼントヘアに触ることを熱望していた育成ドラフト1位の法大・石川達也投手(22)にプロ初勝利を条件にタッチを認めることを約束した。故障の影響で育成指名ながら即戦力ともされている左腕に対する珍しいニンジン作戦。「番長流」の人心掌握術で戦力を底上げし、来季は98年以来23年ぶりの頂点を狙う。

 新人監督であろうが関係ない。見据えるのは頂点だけだ。選手の「やる気」を引き出せるのであれば、何でもする。三浦監督は育成1位の石川に向け、ユーモアも交えて熱いメッセージを送った。

 「初勝利したら(リーゼントを触って)ええよ。早くしないと髪がなくなるかも。俺がハゲる前に勝ってくれないとね」

 事の発端は11月29日に行われた石川との入団交渉。仮契約後の会見で、あるエピソードが明らかになった。横浜市出身のベイ党は小学校低学年の頃にオフに行われたイベントのディナークルーズに参加。当時エースだった三浦監督と対面を果たすも、リーゼントに触ろうとして「おい、ダメや」と制された。10年以上が経過しても石川の「思い」は不変で「触ってみたいです」と希望。その新聞記事を目にした三浦監督が、すかさず反応した。

 背番号「101」の育成契約ながらリーゼントタッチの条件は「支配下登録」ではなく「初勝利」。それだけ期待が大きい証拠だ。横浜高時代には藤平(現楽天)との二枚看板で3年夏の甲子園に出場。法大に進学し、順調に成長を続けた。だが今年4月に鉄棒から落ちて利き手である左手首を骨折。春のリーグ戦登板がなかった影響で育成契約となったが、今年3月には社会人の強豪・セガサミーとの練習試合に先発し、2種類のフォークを武器に6回までに11奪三振の快投を見せるなど、コンディションが万全なら即戦力の素材だ。

 矢沢永吉への憧れでプロ1年目の途中から始めるなど三浦監督のこだわりが詰まったリーゼント。意外にもセット時間は10分ほどで移動の際は常にバッチリと決める。現役時代の登場曲は竹内力の「リーゼントブルース」で愛馬の名も「リーゼント」を使用。引退後も貫く「リーゼント歴」は25年以上を誇る。

 三浦監督は今月25日には47歳となるが頭髪は「ふさふさ」。来季は1軍監督として未体験の重圧と戦うだけに「ハゲる前に…」と冗談交じりに語ったが、セットできなくなる日はまだまだ遠そうだ。とにもかくにも「即戦力の育成左腕」は少年時代からの念願をかなえるために努力を重ねる。(町田 利衣)

 ▽リーゼント 1930年代に生まれたとされる髪形。英ロンドンのリーゼント・ストリートの紳士から流行し始め、日本では40年代からファッションとして広がった。現在のイメージを決定づけたのはエルビス・プレスリーの登場で、日本理容美容教育センターの作成する教科書では「整髪料をたっぷり使い、両サイドの毛をぴったりと後頭部までなでつけ、前髪を立ち上げて量感を出す」と紹介している。

 ◆石川 達也(いしかわ・たつや)1998年(平10)4月15日生まれ、神奈川県出身の22歳。横浜高では藤平(楽天)との二枚看板で3年夏の甲子園出場。法大では2年春からリーグ戦に登板。今年は左手首骨折で春は登板なしも秋に復帰して1試合に登板。通算18試合で3勝0敗、防御率2.10。持ち球は直球、カットボール、カーブ、フォークなど。1メートル78、73キロ。左投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2020年12月3日のニュース