阪神ドラ1・佐藤輝 “虎初アーチ”は規格外2発 矢野監督「40-40」指令に応えた!

[ 2020年11月2日 05:30 ]

練習試合   近大3-2大産大 ( 2020年11月1日    近大生駒グラウンド )

<練習試合 近大・大産大>7回無死、阪神ドラフト1位の近大・佐藤は中越えに勝ち越しのソロ本塁打を放つ (撮影・奥 調)
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 阪神からドラフト1位指名された近大・佐藤輝明内野手(21=仁川学院)が1日、大産大との練習試合で「3番三塁」で指名後初実戦 に臨み、決勝本塁打を含む2安打2打点で1盗塁。試合後のタイブレークを想定した場面でも一 発を放った。虎初安打初打点、初盗塁に、初アーチから“連発”と規格外の大物ぶりを早くも披露した。来季に向け、期待と夢はさらに膨らむ。

 今すぐにでもタテジマに袖を通してほしい――。虎党の誰もが期待せずにはいられない会心の一撃だった。同点の7回無死、佐藤輝は、右横手投げの投じた速球を迷うことなくフルスイング。瞬時にはじかれた打球の行方を追う必要などなかった。中堅右の林に飛び込む推定130メートルの特大決勝弾。周囲から驚がくの声が漏れる中、ステップを踏んで、軽快に一塁へ走りだした。

 「とにかく強くコンタクトして。入ったんで良かったです」

 “虎初アーチ”の前にも、しっかりと仕事を果たした。2点を追う3回2死一、三塁で左前に“虎初安打初打点”となる適時打を放った。持ち味は打撃だけではない。50メートル走6秒0の俊足を生かし次打者への初球に二盗も決めた。10月27日の指名あいさつで阪神・矢野監督から目指すように言われた「40(本塁打)・40(盗塁)」の予行とばかりに攻走でさっそく実践した。

 これだけで終わらないのが、大物たるゆえんだ。6日から始まる関西地区大学野球選手権(大阪・南港中央)を前にした最後の実戦ということもあり試合後にタイブレークを想定した練習で打席に入ると、再び“驚打”を見せつけた。低めのカットボールをすくい上げた滞空時間の長い打球は、大きな弧を描き120メートルと記した中堅フェンスを越えた。新たな本拠地となる甲子園なら「100万円弾」といったところだろう。

 「入らなくても勝ちなので、ゆっくり走ってました。どちらかというとローボールヒッターなので(投球が)いいところにきてくれたと思います」

 視察した阪神・畑山俊二統括スカウトも「これ以上ない、いいものを見られた。右でも左でも放り込めるパワーが、彼の最大の持ち味。一流になれるだけのポテンシャルを持っているのは間違いない。大きく育ってほしいと改めて感じた」と大学の後輩にあたるドラフト1位に目を細めた。

 周囲がそろって「マイペース」と口をそろえるように「(ドラフト後の心境の変化は)特にない。注目してもらえてありがたいが、自分のやることは変わらない」と浮かれた様子もない。冷静に先を見据えるその目には、聖地で躍動する自身が映っているはずだ。(田中 想乃)

 《恩師も成長実感》4年間指導した近大・田中秀昌監督は「ああいう場面で(本塁打を)打てるというのが成長」と教え子を称えた。3回の二盗はサインだったことも明かしたが「どんどん走ってほしい。プロでもコツというか、勇気と積極性なんで」と活躍を信じエールを送った。

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